確定拠出年金の相談をお受けしていると、よく分からず一括受け取りを指定されようとしていた方が多いように感じています。今回は、iDeCo(個人型確定拠出年金)やDC(企業型確定拠出年金)の資産を取り崩す時期の悩みについて解説したいと思います。

確定拠出年金の受け取り方法は2種類

確定拠出年金の受け取り方法ですが、大きく2つあります。

【一時金】 一括でお金を受け取ります。
【年金】  受け取り方法を決めて、分割で受け取ります。

そして、運営管理機関(金融機関)にもよるのですが、一時金と年金、両方を組み合わせる事もできます。

それでは、皆さんどのように受け取られているか、実際のデータから確認してみます。企業型・個人型の加入者のデータを有効活用するため、運営管理機関が集まって統計的にデータを公表してくれていますので、確定拠出年⾦統計資料(2022年3月末)から、現状のデータを見てみたいと思います。

iDeCoでは6割、DCでは7割の方が、退職金としての確定拠出年金を一括で受け取っているようです。年金で受け取っている方は、全体で見ても3割ほどしかいないようです。

出所:確定拠出年⾦統計資料

理論的と言いますか、資産の有効活用的な観点から見ると、運用した方が良いのですが、現実的には一括受け取りの方が多くなっています。

大きな理由の1つが商品に元本確保型を選択していて、確定拠出年金に置いていても仕方がないからだと推測しています。他には、確定拠出年金制度の複雑さも要因だと考えられます。まだまだ確定拠出年金がこれからの制度だからだと思っております。

ただ、せっかくの確定拠出年金ですので、少しでも納得した受け取り方をしていただきたいと思っています。ご自身なりの年金・一時金受け取りの参考にしていただければと思います。