実はユニバーサル・スタジオに訴えられたことがある
任天堂がアメリカに進出した1982年、任天堂は危機的な状況に追い込まれます。任天堂が前年に販売していた「ドンキーコング」が映画「キングコング」に酷似しているとし、制作したユニバーサル・スタジオが訴訟を起こしたのです。内容は苛烈で、ドンキーコングで得た利益を10日以内に支払うよう求めるものでした。
任天堂は支払いを拒み、ユニバーサル・スタジオとは訴訟に発展します。結果としてユニバーサル・スタジオには商標権がなく訴える権利そのものがないことが発覚し、任天堂が勝訴しました。ちなみに、このときの任天堂側の弁護士がカービィ氏であり、任天堂の人気キャラクター「星のカービィ」と偶然同じだったというエピソードが残っています。
その後も任天堂は知財に関する裁判で何度も勝利を収めていることから、「任天堂法務部を敵に回してはいけない」とうわさされるようになりました。
●ティアリングサーガ裁判
「ファイアーエムブレム」に酷似しているとし、任天堂らが「ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記」の開発会社や販売会社を訴えた裁判。任天堂の主張が認められ、7600万円以上の賠償が命じられた。
●ニンテンドーDS用マジコン裁判
ゲーム機「ニンテンドーDS」で起動させる「マジコン」を輸入販売していた業者らを任天堂が訴えた裁判。マジコンはゲームソフトを違法にコピーする機能があった。業者らには9500万円以上の損害賠償が命じられた。
●3DS裸眼立体視特許裁判
ゲーム機「ニンテンドー3DS」の裸眼で立体視できる機能が特許を侵害しているとし、任天堂が米国で提訴された裁判。一時は3020万ドル(約36億円)の支払いが命じられたものの、差し戻し審で一転して特許の侵害はなかったとの判断を勝ち取り、任天堂が勝訴した。
●マリカー裁判
「マリオ」のキャラクターの衣装と公道用カートを客に貸し出す営業を行っていたレンタル会社「マリカー」を任天堂が訴えた裁判。任天堂が勝訴し、5000万円の損害賠償が認められたほか、営業や広告に「マリカー」を使うことが禁じられた。