・「国内最大」東京海上HDが世界でトップクラスの保険会社になれた理由

安定的な運用が期待できる債券は人気の商品ですが、実はトラブルが多いことでも知られます。金融機関と顧客間のトラブルを解決する「証券・金融商品あっせん相談センター」によると、2020年度は債券に関する苦情が最も多く寄せられ、2021年度も株式に次いで2番目に多くなりました。

【証券・金融商品あっせん相談センターが受け付けた苦情の件数】

証券・金融商品あっせん相談センター「紛争解決等業務の実施状況について(2021年度)」より著者作成

さらに、残念ながら債券は詐欺に用いられることも少なくありません。2013年6月13日には、後に実質経営者が出資法違反に問われた「K&A」が破綻し大きな話題を集めました。

高利回りをうたって違法に社債を販売

K&Aは、かつて名古屋市に存在した投資コンサルティング会社です。同社は2007年から2013年にかけて年6%前後の利回りを確約し、不正に社債を販売し資金を集めていました。

同社の社債は全国の数百人に数十億円分が販売され、その多くで利払いが滞ったことから社会問題に発展します。被害者らは結成した弁護団を通じて約3億2000万円の損害賠償を請求し、2017年12月に全額の支払いを命じる判決が下されました。

K&Aは高い利回りの根拠としてクレジット債権の回収事業や投資事業による収益を充てると説明していましたが、裁判でそのような事業を営んでいた事実はなかったことが明らかになっています。