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シャープを買収した「鴻海(ホンハイ)精密工業」や、熊本県に工場を新設する「TSMC」など、台湾エレクトロニクス大手の日本進出が相次いでいます。どちらも世界的な企業ですから、身の回りでも話題に上ることが増えているのではないでしょうか。
4月2日は、シャープと鴻海精密工業グループが資本契約を締結した日です。これにちなみ、シャープが鴻海精密工業に買収された経緯と、TSMC進出で潤う熊本県について押さえておきましょう。
電機大手が初めて外資に買収
シャープが鴻海精密工業に買収されたのは、シャープが業績不振に陥り、上場廃止の可能性が高まったためでした。
シャープは液晶テレビやスマートフォン向け液晶パネルの販売が伸びず、純資産を減らし続けていました。特に2016年3月期は巨額の赤字を計上したため、ついに債務超過に陥ります。
取引所の定めから、純資産がマイナスの企業は上場を維持することができません。シャープは債務超過の解消を目指し、鴻海精密工業に出資を求めて交渉します。一時はシャープの債務リスクなどが懸念されるなどして交渉は難航しますが、2016年4月2日に鴻海精密工業グループがシャープ株式を約3888億円分取得することで合意しました。この結果、シャープは債務超過を解消し、同時に鴻海精密工業グループの子会社となったのです。
買収後、シャープは業績の改善にも成功しました。調達した資金でディスプレー事業への投資などを実施し、2018年3月期に最終黒字を確保します。一時は2000億円を超える赤字を計上していただけに、まさにV字回復といえるでしょう。これは親会社となった鴻海精密工業グループの会長、郭台銘(かく・たいめい)氏の経営手腕によるところが大きいとみられています。
【買収前後の純資産と純利益(2014年3月期~2019年3月期)】
【シャープの直近業績】
出所:シャープ 決算短信
【シャープの株価】