TSMC進出に沸く熊本県
2021年10月、半導体の受託生産で世界トップクラスのシェアを持つTSMCは、熊本県に半導体工場を建設すると発表しました。TSMCは最先端半導体の生産も手掛けていますが、熊本県では汎用的な製品を製造するとみられています。工場は2023年9月に完成し、2024年から操業を開始する予定です。
TSMCの進出を受け、熊本県は「くまもと半導体産業推進ビジョン」を策定し、半導体関連企業の積極的な誘致に乗り出しました。計画は2032年までの10年間で、半導体関連製品の生産額を1兆9315億円にまで増やすことを目標としています(2019年の生産額:8290億円)。
半導体は完成までに非常に多くの工程があり、1社が単独で生産するためには大規模な工場を用意しなければいけません。投資額が巨額になることから、半導体は複数の企業が分業して作ることが一般的です。また生産を外部に委託し、自社では工場を持たない「ファブレス」の半導体企業も少なくありません。
このような構造となっていることから、半導体は産業集積が進みやすい業界の1つです。事実、熊本県では半導体関連企業の進出が相次いで起こりました。
【熊本県における半導体関連企業の誘致件数】
・2020年度:7件
・2021年度:29件
・2022年度:43件
※2022年度は12月12日時点
出所:熊本県 広報誌「県からのたより(2022年12月号)」
報道によると、TSMCは熊本県に2つ目の工場を建設すると伝えられています。報道が事実なら、熊本経済はさらに盛り上がりそうです。