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日本の出生数が2022年、初めて80万人を割り込みました。年々減少が問題視されており、少子化は日本が抱える重要な課題の1つです。日本の総人口も2050年代に1億人を下回ると予想されています。

【日本の出生数の推移(1947年~2022年)】

厚生労働省「人口動態統計」より著者作成

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【日本の総人口の予測】

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より著者作成

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政府は進行する少子化を食い止めるため、2021年12月に「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」を閣議決定しました。それに伴い、本日「こども家庭庁」が発足します。こども家庭庁はどのような役割を持つのでしょうか。

「異次元の少子化対策」の担い手

こども家庭庁は当面、「異次元の少子化対策」の具体的な政策を取りまとめる役割を担います。

異次元の少子化対策とは、岸田首相が2023年の年頭記者会見で述べた言葉です。少子化問題を経済と並ぶ重要な課題と位置付け、経済的な支援や保育サービスなどの拡充、また働き方改革の推進を行うと表明しました。

対策の基本的な方向性は3つです。第1に、児童手当を中心に経済的支援を強化することです。第2に、学童保育や病児保育を含め、幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化を進めるとともに、伴走型支援、産後ケア、一時預かりなど、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充を進めます。そして第3に、働き方改革の推進とそれを支える制度の充実です。

引用:首相官邸 岸田内閣総理大臣年頭記者会見(2023年1月)

こども家庭庁はまず政策推進会議を開催し、内閣官房で取りまとめた意見などを踏まえつつ「こども大綱」(※)の作成方針を決定します。その後、国民や子どもなどから広く意見を集め、秋ごろまでに大綱の閣議決定を目指す予定です。岸田首相が掲げる異次元の少子化対策は、その過程で明らかになっていくでしょう。

※こども大綱:こども施策に関する基本的な方針、重要事項を定めるもの。これまで別々に作られてきた「少子化社会対策大綱」、「子供・若者育成支援推進大綱」、「子供の貧困対策に関する大綱」が束ねられ、こども大綱に一元化される。

出所:内閣官房こども家庭庁設立準備室 こども基本法説明資料