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自宅が突然欠陥住宅に……。業界大手の不祥事によってそんな事件が起こりました。8年前の3月13日、TOYO TIRE(当時は東洋ゴム工業)は建築物などに用いる免震ゴムなどの性能評価で不正なデータ改ざんが行われ、基準に満たない製品が出荷された事実を認めます。

何が起こったのか、事件の経緯を振り返りましょう。

基準を満たさない免震ゴムで153棟が違法建築物に

まず、建築物の重要な部分に用いる材料は、国土交通省が定めた一定の基準を満たすものでなければいけません。TOYO TIREは国土交通省の認可を受け免震ゴムなどを製造、販売していました。しかし、その認可は技術的根拠のない性能評価に基づいた申請によって取得していたことが発覚します。

【建築基準法第37条「建築材料の品質」(抜粋)】
建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において「指定建築材料」という。)は、次の各号のいずれかに該当するものでなければならない。

1.その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本産業規格又は日本農林規格に適合するもの

2.前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの

出所:e-Gov法令検索 建築基準法

当該免震ゴムが納入された建築物のうち、153棟で国土交通省の認定に適合しないか適合性が判断できず、建築基準法に違反することとなりました(他に建築基準法の対象外となる重要文化財が1棟ある)。TOYO TIREはこの補償を行うため巨額の特別損失を計上し、業績は大きく悪化します。

【免震ゴム問題にかかる引当金および対策費と純利益】

TOYO TIRE 決算短信より著者作成

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