——最後に、直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えていただけますか?
新規設定ファンドでは、10月から12月にかけて、アクティブファンドが5本、パッシブファンドが1本、計6本が設定されました(図7)。
10月に設定された、「<DC>次世代REITオープン」は、米国のコーヘン&スティアーズという、REITのアクティブ運用では世界最大級の資産規模を有する運用会社が運用します。「次世代REIT」とは、人口構造の変化や情報技術の進歩等の恩恵を受けて高い成長が見込める「新しい分野のREIT」を指すようです。現在は、通信塔やデータセンターなどの「テクノロジー関連REIT」、物流施設などの「ロジスティクス関連REIT」、シニア向け住宅などの「ニュースタイル関連REIT」に注目しています。
他方、11月に設定された、「One国内株式ESGフォーカスファンド<DC年金>」は、環境・社会に関する課題を解決する事業を行う企業や、課題解決に向けた環境変化に積極的に対応できる、ガバナンスが優れた企業に投資します。TOPIXをベンチマークとして運用を行い、ESG調査対象銘柄を絞込み、ESG調査を経て組入候補銘柄を選定したうえで、約50銘柄~100銘柄のポートフォリオを構築します。
また、投資先企業に対しては、ファンドマネジャーや同社の株式アナリスト、ESGアナリストが協働して、エンゲージメント活動を行っています。エンゲージメント活動とは、企業と「建設的な目的を持った対話」を行うことで、企業価値の向上や企業が抱える課題の解決を促すための活動を言います。
ESG投資はグローバルで注目度が高まっている分野であり、DCの世界でも近年いくつかのESG関連ファンドが設定されています。まだまだ、各ファンドの残高は小さいですが、今後少しずつ人気を集めていくかもしれません。
図7 2022年12月 新規設定ファンド(直近30本、過去2年間) 拡大図表示
以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向をお話しさせていただきました。