利回りを求める人におすすめ

MLPは、原油といった天然資源のパイプラインや貯蔵施設などの利用料が主な収益源です。エネルギー価格が上昇すると、それらの設備の稼働率が上昇する思惑が働きやすく、MLPも値上がりする傾向にあります。

例えばロシア・ウクライナ問題などをきっかけにエネルギー価格の上昇が見られた2022年は、THE MLP Bの運用成績も良好なものとなりました。エネルギー価格の上昇が続くなら、今後のパフォーマンスにも期待できるかもしれません。

【基準価額+分配金(2021年末=100)】
 

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

またMLPは収益の大半を配当として支払うことから、利回りが比較的高い点も魅力です。THE MLP Bのポートフォリオにおける平均配当利回りも7%を超えています(2022年11月末時点) 。長く保有することで配当収入が積み上がり、基準価額を押し上げる効果に期待できるでしょう。

なお、THE MLP Bはファンド・オブ・ファンズであり、直接の投資対象はドイツ銀行グループのRREEF・アメリカ(以下:RREEF)が運用する「エネルギー・レボリューション・ファンド」 です。RREEFは不動産やインフラに特化した運用会社で、1975年にアメリカで設立されました 。現地の専門家に運用を任せられるのも、THE MLP Bの強みの1つです。

ただし、エネルギー価格が下落すればMLPも値下がりが予想されること、市場規模の小ささなどから値動きが比較的大きいことには注意が必要です。

【米国MLPファンド(毎月分配型)Bコース/円ヘッジなしの概要】 

銘柄 米国MLPファンド(毎月分配型)Bコース/円ヘッジなし(愛称:THE MLP B)
運用会社 ドイチェ・アセット・マネジメント
ファンドのタイプ 海外型(その他資産)
設定日 2013年12月19日
信託期間 2024年7月19日まで
決算日 毎月19日
受渡期間 7営業日
販売手数料(最大、税込み)       3.3%
信託報酬(全体、税込み) 1.855%
信託報酬(販売会社、税込み) 0.935%
信託財産留保額 0.3%
主な販売会社 SMBC日興証券(ホールセール限定)、東海東京証券、りそな銀行

 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。