為替・株式市場にインパクト大! 日銀の金融緩和修正の影響

前述の通り、日銀の金融緩和修正は為替市場、株式市場に大きな影響を及ぼした。

ニューヨーク外国為替市場では日米金利差の是正を期待するかたちで円高・ドル安が進み、2022年12月20日の終値は前19日の終値から6円近く急落。約4カ月半ぶりに1ドル=130円台をつけた。

また、日経平均株価は一時800円超下落。金利引き上げによる企業活動の後退や景気悪化懸念から、運用リスクを避ける動きが強まった結果といえる。

一方、好調なのが銀行株だ。前述の通り、長期金利は銀行の貸付金利に適用される。金利が上がると金融機関が資金調達先に支払う「借入金利」より融資先から受け取る「貸付金利」の方が高くなる。そのため利ザヤが増え、収益増加も望める。

例えば三菱UFGフィナンシャルグループは2022年12月19日の終値772.2円のところ、修正発表があった翌12月20日には終値818円をつけた。その後も株価は上昇し、2023年1月11日時点の終値は908円と過去5年で最高水準の高値となっている。

輸入関連や好財務の企業に注目!

市場の予測は簡単ではないが、足元に関して言えば、利上げは企業の新規借入を減らすため業績の悪影響につながり、株価を下落させる。既発債の価格も低下するため、債券を多く保有している企業や投資家は含み損を出す恐れもある。

しかしながら、利上げは円高にも寄与している。とくに輸入企業にとっては追い風になる局面も考えられるだろう。輸入コストの改善が価格に反映されれば、消費者の購買意欲回復も期待でき、関連企業の収益アップも見込める。

また、利上げにより企業の新陳代謝が進むケースもある。これまで、業績が芳しくないにもかかわらず低金利の融資で生き延びてきた「ゾンビ企業」が、高い金利に対応できず倒産していく展開もあるかもしれない。結果、競争力のある企業が残り、市場が健全化が進む可能性もあるだろう。