5年の時効に要注意!

ここまで何回か登場している、「さかのぼって受給するパターン」には注意が必要です。過去にいくらでもさかのぼれるわけではなく、期限があります。その期間は5年、つまり年金には5年の時効が存在するのです。

受給する権利が発生してから、5年以内に手続きをすれば受給できる年金を“全て”さかのぼって受給することも可能です。しかし、5年を経過してしまうと、時効によって、5年を過ぎてしまった分の年金が受け取れないということが起きます。

先述のとおり、特別支給の老齢厚生年金は65歳までの有期年金です。例えば、63歳で支給開始年齢を迎える人が、69歳過ぎた頃に初めて手続きをすると、63歳からすでに6年が経過しています。そのため、63歳から最初の1年分程度の当該年金は時効によって受けられなくなってしまいます。

つまり、手続きが遅れたことによって、本来であれば受け取れたはずの年金が受け取れなくなったということが起きてしまいます。

年金を受けられるようになる前に確認を!

「働くと年金が受けられない」「収入があると年金が受けられない」など、周囲からの不正確な情報、あるいは自身の思い込みから手続きをしていない人も少なからずいるのが現実です。

他にも専業主婦等だった人の振替加算など、加算部分についての手続きがされていないため加算が漏れてしまっているケースもあり、それらも加算開始時期から5年を過ぎた分は時効消滅となってしまいます。

受け取れる年金はしっかり忘れず受け取りたいところです。実際に年金を受けられるかどうか、いくら受けられるかは個々人の年金加入記録や就労状況、家族構成によって異なり、一律的に説明するのは難しい部分もあります。年金の受け取りが始まる年齢が近づいて来たら年金事務所等へ確認のうえ、必要と言われた手続きは必要な時期が来たら済ませておくようにしましょう。