近年は晩婚化が進み、40歳過ぎに出産する人も増えてきました。高齢で子どもを授かると、ライフイベントが50~60代の一時期に集中してしまいます。今回は子どものいる男性と40歳で結婚し、その後実子を出産した女性の事例を紹介します。

※登場する人物はすべて仮名です。

「教育費と老後資金」の相談をしたいという50歳女性から依頼が…

今回の相談者の田所優子(50歳)さんは、関東の地方都市在住の会社員。同じく会社員の仁さん(48歳)と10年前に結婚しました。仁さんには前妻との間の娘、楓さん(18歳)がいる、

“子連れ再婚”でした。再婚前は仁さんの母、多美さん(75歳)が楓さんの面倒を見ていたそうです。

最初は優子さんと仁さん、多美さん、楓さんの4人家族で生活をスタートし、その2年後に長男真くん(8歳)を授かります。

なお事前に聞いていたFP相談の希望内容は「教育費と老後資金について」ということでした。

約束の時間に事務所に現れた優子さんは、ベテランの会社員らしくしっかりした“頼れる女性”という雰囲気でした。ただ、話しぶりにお堅いところはなく、オープンな印象です。

最初に、ご家庭の様子などを伺いました。

優子さんは40歳まで独身で「生涯“おひとりさま”かな……」と思っていたところ、前妻と離婚した仁さんと同じ職場になったとのこと。男手ひとつで行う子育ての話を最初は「大変ね」と他人ごととして聞いていたものの、ご本人いわく「気づけばあれよあれよという間」に結婚することになったのだそうです。

「結婚したとき、楓は小学2年生。私が働いていたので、適度な距離感があったのがかえってよかったのか、比較的上手くいっていたと思います。思春期などは特に、主人やおばあちゃんでは行き届かない部分があるんですよね。だから、私がいてよかった部分もあったのではないですかね」

一呼吸おいて……

「ただ、正直なところ、楓と真を全く同じように考えることはできません。その部分は変に抑えないようにしています」

ステップファミリーのデリケートな問題ではありますが、偽善者ぶらない優子さんの態度には共感できるものがありました。