美への探求は女性に限らない!

男性にも、笑顔で人を魅了する人がいる。かつて生命保険業界で屈指のセールスマンとして生命保険販売員の地位向上にも努力した、原一平という人物だ。政治経済の動きをくまなく追い続けるなど自己研さんを絶やさず、周到な訪問スケジュールで各業界の経営幹部を中心に絶大な販売業績を残した。

学生時代の下宿先が近所だったこともあり、従業員たちに見送られながら日々運転手付きの高級外車に乗って出かける同氏の姿をよく見た。近隣でも注目される話題の人だった。海外からも高く評価され、国際アメリカン協会からアカデミー賞およびフェローシップ賞を受賞した。さらに勲四等旭日小授賞を受賞するなど、80歳までの生涯を生命保険の販売にささげた。

その原一平氏は、セールスマンとしての第一印象の大切さを自覚し、良好な印象づくりのため、笑顔の練習を鏡の前で毎日実施したとされる。良い笑顔は左右対称であるべきだというのが信条で、ゆがみが出ない、左右が対称となる美しい笑顔づくりに努力したとされる。笑顔でいれば自然と心も明るくなるという「アウトサイド・イン」の心理効用を活用して、顧客の心を開いていったようだ。

登山家・三浦雄一郎の父親である三浦敬三氏は、100歳を迎えるときでも若々しい表情だった。百面相といわれる顔を各方面に動かす運動で顔の老化を遅らせたそうだ。周囲から若いといわれることで内なる力をみなぎらせる効果まであったのか、100歳になってもプロスキーヤーとして活躍する姿は印象的だった。

昨今は、男性化粧品を使用する人も増えたようだ。ましてや女性は進化したメイク技術やウィッグなどを活用し、若返りして驚かされる人がいる。ただ、メイクが均一化されているのか、同じような顔に見えてしまうことも少なくない。それだけに、内面から醸し出される表情やしぐさなどの美しさがより大切なものに感じられる。