意外にもコロナ前後で在宅勤務は大きく減少せず
最後に働き方を見てみましょう。あれだけリモート勤務が推奨され、国を挙げて「出社するな」コールが叫ばれたわけですが、実際のところはどうだったのでしょうか。
勤務先への出社が「変わらない」人の割合を見ると、コロナの最中だった2020年6月時点でさえ61.0%もあります。「やや減少した」人の割合が13.3%、「減少した」人の割合が14.5%でしたが、2022年6月時点の数字を見ると、「変わらない」人が70.5%に増えています。つまりコロナ前と同様に出社する人が増えて、全体の7割を占めるところまで来たということです。逆に勤務先への出勤が「減少」した人、「やや減少」した人の割合は、2020年6月時点に比べて減少しています。
とはいえ、在宅勤務が大きく減ったのかというと、実はそうでもありません。在宅勤務が「増加」した人と「やや増加」した人の割合を足した数字で推移を見ると、2020年6月時点は16.5%が「増加」、「やや増加」と答えていますが、2022年6月を見ると、両者で18.6%と増えています。またそれと共に、在宅勤務を「利用していない」人の割合は、2020年6月時点の57.3%が、2022年6月には62.5%まで増えているので、働き方の多様化は徐々に進んでいるように見えます。
恐らく、コロナ禍は人々の行動変容のフィルターだったのだと思います。コロナ禍を経て、元に戻るものは戻る。それでも変わらず増え続けるものは、明らかに行動変容が生じているのでしょう。このレポートには他の項目も掲載されているので、興味のある方は一読をお勧めします。