テイクアウトは好調な一方でデリバリーは下火

たとえば「キャッシュレス決済」。コロナ前に比べて利用が「やや増加」した人の割合は、2020年6月時点では17.8%だったのが、2022年6月には27.4%まで増えています。また明らかに「増加」した人の割合も、2020年6月時点の7.5%から、2022年6月時点では18.8%まで増えました。

その一方で、「利用していない」人の割合は、2020年6月時点の17.6%から、2022年6月時点では11.5%まで減少しています。そして、コロナ前に比べてキャッシュレス決済の利用が「減少」した、「やや減少」したという人の割合は、ほぼ横ばいか、もしくは減少しているのと同時に、割合が2%、あるいは1%というように非常に低い水準にあります。それだけキャッシュレス決済が普及した証といっても良いでしょう。

ネットショッピングについては、何となく頭打ち感があります。コロナ禍にあった2020年6月時点では、コロナ前に比べて利用が「増加」した人の割合が4.2%で、2021年12月には9.1%まで上昇。しかし2022年6月時点では9.2%の上昇でほぼ変わらずでした。また、「やや増加」した人の割合も、2020年6月時点では20.4%だったのが、2021年12月には29.4%まで上昇したものの、2022年6月時点では28.0%に低下しています。行動制限が解けたことで、利便性よりもリアル店舗での買い物に行きたいという欲求が高まった結果でしょうか。

最近、街を歩いていて気付いたのが、明らかにデリバリーサービスが減っていることです。その肌感覚はどうも当たっているようです。コロナ前に比べてデリバリーサービスの利用が「増加」した人は、2020年6月時点が1.7%で、同年12月には3.6%まで上昇しましたが、2022年6月時点は2.9%まで低下しました。「やや増加」した人も2020年6月が8.3%で、同年12月には11.1%まで上昇した後、2022年6月には10.3%まで低下しています。その一方で、「利用していない」人の割合を見ると、2020年6月が59.2%で、同年12月には53.3%まで低下したものの、2022年6月には59.4%まで上昇しました。

逆に堅調なのがテイクアウトサービスです。「増加」した人、「やや増加」した人のいずれも、調査時点を追うごとに、順調に割合が増えています。

いささか笑えるのが「オンライン飲み会・食事会」です。Zoom飲み会などと称して一時は結構話題になった印象がありますが、実はコロナ禍の真最中だった2020年6月でも、コロナ前に比べて「利用していない」という人の割合が78.4%もありました。あれは、本当にごく一部の人の間でのお祭り騒ぎだったことが、データから見て取れます。