不透明感が漂う環境下で「脇役」が活躍
米国株のインデックス型なら、配当貴族指数への連動を目指す投資信託を選択肢に入れてもよいだろう。ファンドの例としては、「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」などがある。
「配当貴族」とは、過去25年以上にわたり毎年「連続で」配当を増やし続けてきた銘柄を指す。この配当貴族銘柄を束ねた代表的な指数が「S&P500配当貴族指数」だ。
同指数は、流動性や時価総額の諸条件を満たした優良大型株64銘柄(2022年11月現在)で構成される。先述のジョンソン・エンド・ジョンソン、エクソンモービル、P&Gはもちろん、コカ・コーラやマクドナルドといったグローバルブランドも含まれる。日本の個人投資家にはあまり馴染みがないと思われる銘柄もあるが、指数を通じて優良な個別企業について理解を深めるというのもよい。
また、アクティブ型の投資信託で、米国株を含む世界の高配当・高利回り株に投資するという選択肢もある。例えば、「iTrustインカム株式(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)」は、「日常生活に不可欠な公益サービスを提供する先進国の公益企業」を投資対象としている。電力会社やエネルギーなどのいわゆるインフラ関連企業が中心のため、失礼ながら華やかさはあまりないが、特に年初来でみると良好な成績を収めている。
主役級の成長株が華々しく上昇を続けている中では、脇役=バイプレイヤー的な高配当株はどうしてもリターンが劣後してしまう。しかし、足元のような不透明感が漂う環境下では「縁の下の力持ち」として活躍する。目立つ存在ではないからこそ、こうしたタイミングでバイプレイヤー型資産の特性について理解を深め、資産分散の観点から、必要に応じて組み入れることをお勧めしたい。