不祥事が相次いだ回転寿司業界

今年、回転寿司チェーンの株価がさえません。11月4日までに年始の株価を明確に上回っているのはゼンショーホールディングスのみで、カッパ・クリエイトはほぼ横ばい、フード&ライフカンパニーズとくら寿司は全体的に下落傾向となっています。

【主要な回転寿司チェーン株式の騰落率(2022年1月4日~11月4日)】
・フード&ライフカンパニーズ:-44.22%
・くら寿司:-8.23%
・ゼンショーホールディングス:+28.08%
・カッパ・クリエイト:+3.90%
※2022年1月4日終値に対する同年11月4日終値

【株価チャート(2022年1月4日を100とした場合)】

Investing.comより著者作成

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株価が低調な理由は、回転寿司業界に相次いだ不祥事にあるかもしれません。2022年に入り、以下のようなニュースが取り沙汰されました。

【回転寿司チェーンにまつわる主な不祥事】
・2022年4月:週刊誌がくら寿司のパワハラ疑惑を特集
・2022年6月:消費者庁があきんどスシローに対し景品表示法違反で再発防止命令
・2022年9月:警視庁がカッパ・クリエイトの社長を不正競争防止法違反の疑いで逮捕

特にスシローのフード&ライフカンパニーズには影響が強く出ている可能性があります。国内スシローブランド全店の月次売上高(前年同月比)は、2022年7月から4カ月連続のマイナスとなりました。2021年7~10月は順に+10.4%、+2.7%、-4.3%、±0%と平均的な水準のため、前年の反動でマイナスに陥ったわけでもなさそうです。

【2022年における月次売上高の前年同月比(全店)】

※ゼンショーホールディングスは「はま寿司」の月次情報を開示していない
※1.国内スシローブランド店舗が対象

出所:各社のリリースから

フード&ライフカンパニーズは不祥事を受け、再発防止に向けた対策を公表しました。スシローに客足が戻るか、今後の動向に注目が集まります。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。