今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は、子どもにも家計にも最善な教育費の「かけ方」「貯め方」がわかる前田菜緒氏の『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方』の第4章を特別に公開します(全4回/本記事は第3回)。著者本人が同書を解説する無料セミナー情報も!

●第2回を読む

※本記事は前田菜緒著『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方』(翔泳社)から一部を抜粋・再編集したものです。

私立中学校のメリット

中学受験には、多額の塾代が必要です。今までのような貯蓄は厳しくなり、生活レベルを下げる必要があるかもしれません。それでも、中学受験を選択するのは、それ以上にメリットが大きいと考えるからでしょう。学歴がすべてではありませんが、いい中学校・高校に行けば、いわゆる、いい大学に入れ、いい会社に入れ、高収入になる確率は上がるでしょう。例えば、なりたい職業として国家公務員を挙げることが適切かどうかはさておき、2021年の国家公務員試験合格者の出身大学は、1位東京大学、2位京都大学、3位早稲田大学、4位北海道大学、5位岡山大学と、名だたる大学名が並んでいます。

では、2021年の東京大学の合格者が多い高校はというと、1位開成高等学校(私立中高一貫男子校/146人)、2位灘高等学校(私立中高一貫男子校/97人)、3位筑波大学附属駒場高等学校(国立中高一貫男子校/89人)となります。

このほか、私立中学校には公立にはない特色があるのもメリットです。「内気な子でも、ノビノビ過ごせる学校がよい」といった子どもの性格に合う学校選びができ、6年間同じ友達と交友関係やクラブ活動を続けられます。

また、自身も私立中学に行った筆者のFP相談のお客様の多くは、良い経験をしたので自分の子どもも私立中学に行かせたいと言います。

とはいえ、文部科学省「令和3年度学校基本調査」によると、私立中学校の在学者は全国で約7.6%しかいません。一方、東京都の私立中学校の進学率は約19%です。

公立中学校への進学が当然な環境なら中学受験することすら思い浮かびませんが、周囲に中学受験する家庭が多ければ、受験が自然と選択肢になります。

中学受験は親も子どもも大きなライフイベントです。だからこそ、周囲に流されていないか受験の目的を確認し合い、親子で大きな壁を乗り切る覚悟が必要です。