FXの月間取引額が1229兆円の過去最高額に
NTTデータグループの日本電子計算(JIP)・証券事業部の定期刊行物、「JIPs DIRECT」の第114号(9月26日刊)の証券トレンドというコーナーで、「外国為替証拠金取引(FX)」の7月の月間取引額が、過去最高の1229兆円に達したというレポートが掲載されました。
FXについてはご存じの方も多いでしょう。FX会社に証拠金を預け入れることによって、米ドル/円やユーロ/円をはじめとするさまざまな通貨ペアの売買が出来るというものです。取引通貨ペアは米ドル/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなど米ドルを軸に取引される「ドルストレート取引」の他、ユーロ/円、豪ドル/円、ユーロ/豪ドルなど、米ドルを介しながら米ドル以外の通貨同士を取引する「クロス取引」があります。
証拠金とは、これらの通貨ペアを売買する際の担保のようなものです。たとえば外貨預金の場合、1ドル=140円で1万米ドルの外貨預金を作成しようとしたら、140万円を米ドルに換えて預けることになります。
これに対してFXの場合、たとえば1万米ドルの米ドルを買う場合、6万円弱の証拠金で取引できます。言い方を変えると、6万円弱の資金があれば、円換算して140万円相当の米ドルを取引できるのです。このように、少ない資金で大きな額の取引を可能にするのが「レバレッジ」です。
同レポートによると、7月に入ってから個人の米ドル買い・円売りポジションが目立って増加したとのことです。理由は言うまでもなく、円安・米ドル高の急伸です。7月に入り、1米ドル=135円台から米ドル高が加速しました。8月2日にかけて1米ドル=130円台まで調整する場面もありましたが、その後は再び米ドルが大きく買われ、介入直前の9月22日には、1米ドル=145円台まで米ドル高が進みました。
こうした場面で、FXの口座を持っている個人が一斉に取引に参加した可能性は、十分に考えられます。同レポートによると、金融先物取引業協会が公表している店頭FX取引速報では、円の売り越し残高が7月末時点で1兆8932億円となり、6月末に比べて倍増したそうです。しかも、このうち73.6%の1兆3935億円が米ドルの買い分で占められました。