投資期間10年だと一括投資でも元本割れの確率は低い
次に投資期間を10年間として分析をしてみました。先ほどと同様、10年間毎月1万円ずつ積立投資をした場合(合計120万円)と、最初に120万円を一括投資した場合の結果を下図にまとめました。
結果はおおむね投資期間5年の場合と似ているのですが、大きな違いは10年の場合、一括投資の資産額の分布が大きく上方にシフトしているということです。つまり最良のケース(最大値)や上位25%のケース等、うまくいった場合には積立投資と比べ物にならないくらい大きな金額になっています。
そして特筆すべき点は、元本割れの確率が積立投資と一括投資でほぼ同水準になっており、その確率も投資期間が5年の時よりも大きく低下している点です。日本株式の場合はともに25%程度、世界株式の場合もともに14%程度とかなり下がっています。また、積立投資の勝率は、日本株式の場合は43%、世界株式の場合は36%ですから、依然として一括投資の勝率が高くなっています。
これらの結果から導き出される結論は、投資期間が10年間あり、すでにお金を持っているのであれば、投資タイミングを気にせず、迷わず一括投資を行ったほうが良いということではないでしょうか。