加入者が利益を得る方法─ スイッチング、配分変更とは ─
再三となりますが、DC運用は毎月定額の掛け金を拠出し、そのお金で複数の金融商品を毎月購入・運用するもので、目的は加入者自身が定年後の年金として受給する資産を増やす事です。この“資産を増やす”という点で、加入者がとる行動として重要となるのが『預け替え』と『配分変更』です。
商品の『預け替え』とは、これまで加入者がご自身で積み立ててきた資産の商品構成を変更することで、DC業界では『スイッチング』と呼ばれており、ご自身が運用する商品のうち、利益が出ている商品の一部を売却・利益確保すると同時に、他の商品を購入する行動のことです。『配分変更』とは、毎月加入者が拠出する掛金で購入する商品の種類や、それらの配分を変更することを言います。
このスイッチングと配分変更は、共に運用を変更する手段ですが、実際どういった違いがあるか、例を挙げてお話します。
・スイッチング
ある加入者がA・B・Cという3つの投資信託商品を運用しているとします。このうち、値動きが大きく、利益が出ていた商品Aを売却して元本確保型商品Dを購入。加えて新たな投資信託商品Eを購入しました。これがスイッチングです。
・配分変更
次に、商品A・B・Cという商品は、加入者が毎月拠出する掛金をそれぞれ設定した割合が配分されており、商品Bに30%、商品Cに20%という配分割合を設定しているとします。そのうち、値動きが大きく、利益が出ていた商品Bを40%、利益が少なかった商品Cを10%に変更しました。これが配分変更です。
この2つの行動をそれぞれ行った結果、運用が変更されたという事は運用初心者の皆さんでもおわかりいただけると思いますが、次のページでは、なぜこれらの行動によって運用を変更する事が加入者にとって重要なのかを説明したいと思います。