もしも予約したホテルから「予約はありません」と言われたらどうしますか? それがもし海外だったら? 5年前に破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」のケースで実際に起こったトラブルです。破綻時の記者会見で同社社長が「すでに出国した人は自力で対処してほしい」と発言し大きな話題を集めました。

新型コロナウイルスの影響で旅行会社の財務は悪化傾向にあります。旅行会社が破綻したらどうなってしまうのか、てるみくらぶを例に学びましょう。支払った旅行代金を取り戻す方法についても解説します。

旅行会社としてはリーマン以降で最大規模の破綻

てるみくらぶは2017年3月27日、東京地裁に破産を申請し即日受理されます。破綻時の負債はおよそ151億円。リーマンショック後では旅行業として最悪の規模となりました。

記者会見で同社社長が語ったところによると、てるみくらぶは航空券を手配する期日3月23日に支払いができなかったようです。24日には予約客に航空券が利用できない旨をメールで通知しました。破綻の前日には観光庁が立ち入り検査を実施しています。

被害が大きくなった原因の1つに同社が破綻の直前まで新聞広告を行っていたことがあるでしょう。てるみくらぶの破綻時、すでに代金を支払っていた顧客は8~9万人に上ります。うち約3000人は海外渡航中で、現地ホテルや航空券などの予約が取れていないといったトラブルに見舞われました。

てるみくらぶはサービスを提供できないと知りながら資金を集めるため旅行者を募り続けたと強く批判されます。東京商工リサーチによると、破綻時の負債総額151億円のうち100億円は一般旅行客に返還すべき金額でした。同社社長は破産前に自宅に現金を隠し破産法に違反した疑いで逮捕されています。

てるみくらぶ経営陣は粉飾決算にも手を出していました。決算書を改ざんし実態よりも経営状態を良く見せかけ、銀行から不正に融資を受ける手口です。てるみくらぶは虚偽の決算書に基づき三井住友銀行などから数億円の融資を受けていました。社長と経理責任者は詐欺の疑いで逮捕され2018年7月に実刑判決(経理責任者は猶予判決)が下されます。刑事事件にまで発展したまれに見る悪質なケースだといえるでしょう。