支払った代金の98%以上が失われる

旅行会社が破綻した場合、すでに代金を支払っていたらどうなるのでしょうか? これは旅行会社が破産前にどこまで業務を遂行したかによって異なります。

もしも破綻前に旅行会社が予約したツアーの手配を終えていた場合、その旅行会社が破綻した後でもツアーを続けられるでしょう。しかし破綻が差し迫った企業は一般に資金繰りに窮しているためこのケースは少ないかもしれません。

てるみくらぶのように旅行会社が必要な支払いをせずに破綻した場合、そのままではツアーは実施できないでしょう。追加の費用を支払うか予約を取り直すケースが考えられます。

破綻した旅行会社に支払った代金は取り戻したいところですが、一般的に破綻した企業は管財人の管理下に置かれ法的に処理が進められます。個別の返金には対応しないため清算配当(破綻企業に残ったお金を分け合うこと)を待たなければいけません。ただし破綻企業の財務に期待できないこと、税金や従業員の給与等の支払いが優先されることなどから、清算配当で返ってくる金額はわずかなものにとどまるでしょう。

東京商工リサーチによると、てるみくらぶの破産処理は事件から2年以上たった2019年9月に終わりますが予約客の配当率は1.9%にとどまりました。旅行代金として100万円支払った方が1万9000円しか返金されない計算です。