各国中央銀行が介在できない国際決済をサポート
SWIFTは銀行のように決済口座を扱っていたり送金作業に携わっていたりするわけではない。具体的な役割は加盟する金融機関に対して迅速かつ安全性の高い「メッセージング・サービス」の提供だ。例えば国際送金においては金融機関で交わされる「資金を送ってほしい」という伝言の中継を担っている。
なぜ、グローバルな資金決済においてSWIFTのメッセージング・サービスが必要なのか。それは、国際間では資金の移動を集中管理する「中央銀行」のような役割を果たす組織が存在しないからだ。
日本では国内の各銀行が日本銀行に口座を保有しており、銀行間の送金は日本銀行の口座を中継して行える。この決済網は「日銀ネット」と呼ばれ、国内における銀行間取引の基盤となっている。アメリカにも「Fedwire(フェドワイヤー)」と呼ばれる、類似の国内決済ネットワークが存在する。
一方で、国際間の決済では中央銀行のようなハブとして機能する組織が存在しない。そのうえ、拠点となる国が異なる銀行間では、送金を自由に行える直接的なつながりがない場合がほとんどだ。
そこでSWIFTのメッセージング・サービスの出番である。コルレス銀行(中継銀行)を介して、数珠つなぎのようなリレー形式で情報伝達していくことにより、遠い国同士の銀行間でも送金も可能になる。