あらゆる手続きが難しい

実は高齢期にはたくさんの手続きが必要になります。例えば介護保険を利用する際には、申請の手続きをしなければなりませんし、ケアマネジャーを選ぶことも必要になります。入院治療を終えて退院するときには、入院費の支払いはもちろん、次にかかる病院の選択と受診、家に手すりを付けたりベッドを借りたりといった、大小の手続きが発生します。しかも、万全の体調ではない中、こういったことをこなさなければならないのです。

さらに自宅での生活が難しくなった場合、転居したり介護施設への入居を検討したりすることになりますが、これもまた自分一人で行うのは難しい選択です。そして、やはり身元保証人を求められることになるでしょう。

重大なことを相談・共有できる人がいない

高齢者心理学では、高齢期のテーマは「喪失とどう向き合うか」です。元気いっぱいな状態から急に死んでしまうのでない限り、私たちは高齢期になるとそれまで持っていたものを失っていきます。

その喪失の中で、喪失(例:食事を用意する能力の喪失)を埋めるための手続き(例:配食サービスの手配)をこなしていかなければならないのです。時には自分の命に関わる選択もしなければなりません。そのような大仕事に立ち向かう強さを持つためには、直接的に手伝ってくれる人がいることも大事ですが、気持ちを支えてくれる人がいることも同じくらい大事です。

おひとりさまの介護問題への対処

おひとりさまが介護で困らないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。既に世の中にはたくさんの書籍が出ていますが、ここでもご紹介をしておきます。

最近は「終活」が1つのブームとなっています。ただ、実際に何をしているかというと、モノを減らすことやエンディングノートの購入にとどまる方が多いようです。

これまで書いてきたような困りごとを減らすためには、次のようなことが考えられます。