ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産は、投資対象としてどの程度、認知されているのでしょうか。今回は野村総合研究所(NRI)のサイトにある「ナレッジ・インサイト」のコラムを取り上げます。NRIが3年おきに行っている「生活者1万人アンケート調査」から、暗号資産の普及度、保有者のプロファイル、暗号資産の保有者が他に保有するリスク資産、について調査した内容です。
英調査では暗号資産保有者の4割はギャンブル性を意識
ざっと調査結果に触れておきましょう。暗号資産の保有率を比較すると、2018年調査時は1.1%で、2021年が1.7%ですから、若干の上昇が確認されます。ただ、他のリスク資産と比べた場合、暗号資産を保有している人の率は極めて低いのが現実です。ちなみに他のリスク資産について、2021年調査分の保有率をみると、株式が13.5%、投資信託が11.9%でした。
FXは1.4%なので、意外にも暗号資産の方がFXより保有率が高いという結果が出ています。これはFXに比べて暗号資産はボラティリティ(変動率)が高く、「一発逆転」を狙った投機的な取引に向いている要素が強いため、それまでレバレッジを高めてFXのトレードを行っていた個人の一部が、暗号資産に向かった可能性があります。
これは同コラムでも触れているのですが、英国ではFCA(金融行為規制機構)が2019年から消費者の暗号資産の保有、認知に関する調査を行っていますが、その調査によると「暗号資産を購入した主な動機は何か?」という問いに対して、1位の回答は「利益や損失を伴うギャンブルとして」が38%、2位は「投資ポートフォリオの一部として」が30%という結果が出ています。この傾向は日本の調査に共通する点があるのではないかと考えられます。