〈前半のあらすじ〉

夫と小学生の娘と暮らす田城さん(仮名、30代女性)は、家族で話し合い犬を飼うことに。欲しかったミニチュア・ダックスフントは数十万円と高額なこともあり、いくつかの里親サイトに登録しました。

すると、ある日「ペットの譲渡を行っている」という業者から連絡が。4万円程度で念願のミニチュア・ダックスフントを譲ってもらえることになり、業者へお金を振り込みます。しかし、その後次々と「聞いていない」追加費用を請求され……。

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結局引き渡しを受けられなかった

業者から連絡があってから約束の4カ月が経過しましたが、ミニチュア・ダックスフントを送ってもらえる気配はありません。

さすがに田城さんも不安になって「どうなっていますか?」と問い合わせましたが、はぐらかされるばかりで、ついには音信不通になってしまいました。ネットや電話でしかやりとりしておらず、サイトにも運営者情報がはっきり書いていなかったので、住所も分かりません。

田城さんたちは総額35万円をだまし取られてしまったのです。娘も子犬が来るのをとても楽しみにしていたのに、待たされた揚げ句に結局飼えなかったのでとても寂しそうにしています。

田城さんは、お金の問題もありますが、それよりも「娘の悲しそうな顔を見るのがとてもつらい」と、やりきれない思いになりました。

悪質ペット商法が増えている

最近、田城さんが遭ったような悪質なペット商法が増えています。以下でよくあるパターンを見てみましょう。

ペットを引き渡すと言って引き渡さない詐欺

よくあるのが「ペットを譲ります」と言ってお金を振り込ませておいて、実際には引き渡さない詐欺です。田城さんが遭ったのもこのパターンです。

里親サイトを運営している業者やサイトから情報を入手した業者から電話やメールが来るケースもよくあります。

SNSを使った詐欺

最近では、SNSを使ったペットの個人取引が頻繁に行われています。SNSで知り合った相手から「トイプードルを格安で譲ります」などと言われて信用してお金を振り込んでも、一向に引き渡してもらえないパターンです。

ネット上で知り合った相手は氏名も住所も分からないケースが多いので、だまされたときの返金請求が非常に難しくなってしまいます。

病気のペットを買わされる

市販のペットショップでも見られる悪質商法として、病気のペットを譲られるケースが少なくありません。当初から衰弱していたのか、購入した途端に病気になって死亡してしまったり、先天性の病気を持っているのに告げられなかったりするパターンです。

死亡すると経済的な問題だけではなく精神的にもショックですし、持病のあるペットを譲られると、飼い主が一生介護をしなければならないので多大な負担が発生します。

追加費用を請求する詐欺

当初は「ワクチン代1万円を負担してもらうだけ」などと少額で飼えるような説明をしつつ、その後さまざまな理由をつけてどんどん追加費用を請求してくる悪質商法もあります。

田城さんのケースもこのパターンです。