法律上は親の同意なしでローンや賃貸契約が可能に

同記事では、「親の同意なしにできること」についてもふれています。まず未成年の場合、さまざまな契約関係を自分の判断で行うことは認められておらず、必ず「法定代理人」が必要になります。法定代理人として認められているのは、「親権者(一般的には父親と母親)」か「家庭裁判所が選任した未成年後見人」のいずれかになります。未成年者が勝手に行った契約は、法定代理人によって取り消すことができ、取り消した契約は最初から無効になることが、民法の第5条、第120条、第121条で規定されています。

今回の民法改正では、これまで20歳になれば法定代理人の同意が無くても契約できたものが、18歳から契約できるようになります。具体的には、携帯電話の購入、アパートなどの賃貸借契約、クレジットカードの作成、ローンの申し込みなどが該当します。

またそれ以外でも、10年間有効なパスポートの取得、公認会計士や医師免許などの国家資格取得、性同一性障がいによる性別変更の請求なども、18歳から可能になりました。

とはいえ、アパートなどの賃貸借契約については、確かに法定代理人の同意が無くても契約できるようになりますが、18歳以上の成人でも学生の場合は、親権者同意書は不要でも連帯保証人を付ける必要があるので、いずれにしても親の同意を必要とするケースが大半になりそうです。

また、ローンの申し込みについても銀行の審査が必要になるため、社会人の18歳ならともかく、収入がほとんどない学生の場合、審査に通る可能性が極めて低いでしょう。法律上は成人として法廷代理人の同意が不要ではあるものの、現実問題として18歳の学生が自分の判断でローンを申し込んだとしても、銀行の審査が下りる可能性は低いと思われます。

一方、気軽に契約できる反面、注意を必要とするのが携帯電話の購入です。特に注意したいのは電話料金の滞納。というのも、月々の携帯電話の料金には電話代やパケット通信代だけでなく、スマートフォンの割賦購入代金も含まれているケースが多いからです。

つまり、携帯電話料金の支払いを滞納すると、電話代の滞納だけでなく、スマートフォンの割賦購入代金の支払いも滞納したことになり、信用情報に傷がついてブラックリストに載ってしまうということが考えられるのです。

そうなると将来、結婚して家を購入するにあたって住宅ローンを組もうとした際、ブラックリストに名前が掲載されているために審査が下りないというケースも考えられます。スマートフォンの購入代金を、月々の使用料金に含めて支払うというプランを申し込んでいる場合は、この点に注意が必要です。