2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。これを受け、金融広報中央委員会が四半期ベースで発行している広報誌「くらし塾きんゆう塾」の2022年冬号で、新成人を対象にした消費トラブルについて注意を促す特集を組んでいます。コーナー記事「新成人に起り得る消費者トラブルと対策を親子で学ぶ」として、4月から施行される成人年齢引き下げに伴う各種契約の際の注意点がわかりやすく整理されています。
4月から成人年齢は18歳に。できる、できないことが変わるワケ
事の発端をたどると、成人年齢の引き下げは、2018年6月に行われた民法改正によって決定されたものです。この改正民法が2022年4月1日から施行されるため、同日から18歳以上20歳未満の人は全員、成人年齢に達することになります。
なぜ成人年齢が引き下げられたのかというと、2016年6月19日に施行された「公職選挙法等の改正」によって選挙権の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたことに加え、諸外国でも成人年齢を18歳とする国が多いことが挙げられます。
また、2021年度の大学進学率が大学・短期大学を合わせて58.9%であるのと同時に、高校を卒業した時点で社会人になる人たちも相当数いると考えられるため、18歳をもって成人したとみなすのが妥当ではないかという意見が増えたことも、成人年齢の引き下げを後押ししました。
成年になるということは、親の同意なしにできることが増えることを意味します。
ただし、成人年齢が引き下げられた後も、20歳にならないとできないことがあるのも事実です。飲酒や喫煙、競馬や競輪といった公営ギャンブルの投票券などの購入は依存症になるケースがあることや、健康面での問題が大きいことが懸念され、従来通り20歳にならなければ認められません。それ以外にも、国民年金の加入や、大型・中型自動車運転免許の取得も、やはり20歳からが維持されました。