テクノロジーの発展で同窓会も進化
従来の同窓会は、幹事が往復はがきを発信することで出欠を取るのが一般的だった。幹事役は大変だったが、最近はテクノロジーの発達で随分と楽になった。例えば、メーリングリストの活用で全員と情報を交換したり、近況を確認し合ったりすることはもちろん、同窓会についても開催時期や場所の確認等が容易になった。
昨今は、いわゆる“オンライン同窓会”も登場した。顔を見ながらの会合で、リアル感も増す効果がある。ただ、年齢を重ねると、女性を中心に照明の明るさを落としたりして、変化した表情を悟られないようにと苦労する人も多いようだ。しかし、お互いの声をじかに聞けるなどの臨場感は侮れない。自らの分身であるアバターを活用する同窓会も、そう遠い先のことでないかもしれない。
アメリカのカルテには、asset(資産)という欄があるそうだ。財産などの有形資産ではなく、親しい友人の有無、強固な家族関係、生きがいの有無などの無形資産を書き込むらしい。いずれも自然治癒力を促す要因だ。同窓会の意義、友人の大切さをいま一度かみしめたいものだ。
執筆/大川洋三
慶應義塾大学卒業後、明治生命(現・明治安田生命)に入社。 企業保険制度設計部長等を歴任ののち、2004年から13年間にわたり東北福祉大学の特任教授(証券論等)。確定拠出年金教育協会・研究員。経済ジャーナリスト。
著書・訳書に『アメリカを視点にした世界の年金・投資の動向』など。ブログで「アメリカ年金(401k・投資)ウォーク」を連載中。