自宅に住みながら融資を受けられるリバースモーゲージとは?

Aさんは老後一人で生活し、自宅を子どもに残す考えはありません。そこで、リバースモーゲージが活用できるのではないかという提案もしました。

自宅を担保にお金を借りるシニア向けのローン

リバースモーゲージとは、自宅を担保にそこに住み続けながら融資を受けるシニア層向けのローンです。金融機関が自宅の資産価値を査定し、借入限度額を決めます。借主は限度額の範囲内で定時定額または一括の借入をしますが、毎月の返済は利息のみです。借主が亡くなってから、相続人が家を売却した代金で一括返済する仕組みです。

リバースモーゲージの注意点

持ち家の高齢者に支持されるリバースモーゲージですが、注意点もあります。その一つは契約してからの金利上昇リスクです。リバースモーゲージの多くは変動金利のため、将来的な金利上昇によって返済額が増える可能性があります。また、ほとんどの金融機関で定期的な担保評価の見直しをします。地価の下落などで担保価値が下がると、融資限度額を下げられることもあるのです。リバースモーゲージの利用を検討する際には相続人にも相談し、分からないことは金融機関に問い合わせるとよいでしょう。

条件に合う銀行があり、利用の目途が立つ

Aさんは老後、子どもたちと生活する予定もなく、自宅を残す必要がありません。そこで、地元でリバースモーゲージを取り扱う銀行の利用条件を調べたところ、利用できそうなことが分かりました。老後、生活費が不足したときや、介護施設に入居するために一時金が必要なときに自宅が活用できるのは心強いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、熟年離婚を選択したAさんの相談事例を通じて、毎月分配金型投資信託の問題点とリバースモーゲージの活用を紹介しました。Aさんは老後に一人で自由に生活することを望みましたが、価値観は人それぞれです。どんな生活をしたいかによって必要な準備も異なるでしょう。この事例を1つの参考にして、自分の理想の老後について考えてはいかがでしょうか。

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FP松田聡子さん自身がAさんの事例について、解説! 図版などを用いて、毎月分配型投資信託やリバースモーゲージの説明をしているので、いっそう理解が深まることうけあい。ぜひこの記事とともにご覧ください。