2025年の金融市場は、年初から4月上旬にかけて米トランプ政権の関税政策をめぐる懸念などから株式相場が大きく下落する場面もありましたが、その後は年末に向けて買い戻されるなど、総じてリスク資産が堅調に推移した1年となりました。そんな中、好調だった株式相場を大きく上回るパフォーマンスを見せたのが、金(ゴールド)です。金先物価格(CMX)の2025年12月22日時点の年初来上昇率は68.3%となっており、過去の年間騰落率と比較しても突出した大きさとなっています。こうした動きを受けて、国内投資信託市場でも金価格に連動するファンドの新規設定が増えるなど、金投資への注目が高まっています。
過去最高の投信残高の中で「その他型」の残高が急拡大
当コラムで使用しているETFを除く追加型株式投信の投資対象別の資金動向で見ると、金価格に連動するファンドは「その他型」に分類されています(投信評価機関モーニングスターのデータによる)。2025年11月の残高171.1兆円のうち、「その他型」は4.8兆円となっており、2024年末時点の2.9兆円から急拡大していることが確認できます。
このうち、金関連ファンド(単一のコモディティを投資対象とし、ファンド名に「金」または「ゴールド」が入っているものを抽出)は34本あり、その残高は11月末時点で2.5兆円となっています。「その他型」には、絶対収益型やレバレッジ/インバース型のファンドなども含まれますが、その半分超を金関連ファンドが占めているということです。なお、金関連ファンドの2024年末時点の残高は8300億円程度だったので1年で3倍強に増加した計算となり、「その他型」の残高が急拡大した背景には、金関連ファンドの人気があると言えそうです。
金関連ファンドに年1兆円規模の資金流入
金関連ファンドに絞って、その資金動向について確認してみましょう。以下は、金関連ファンド34本の残高と資金フローを集計したものですが、2024年に入って金関連ファンドへの資金流入が目立ち始め、2025年に急加速していることがうかがえます。2024年は年間で2400億円強(月平均200億円程度)の資金流入額でしたが、2025年は10月に単月で2000億円に迫るなど、1-11月で計9600億円とすでに1兆円に迫っています。10月の金相場の調整で11月にやや資金流入額は減速しましたが、年末にかけて再び過去最高値の更新を続けており、2025年の1年間で1兆円規模の資金流入となったものと考えられます。
ポートフォリオにおける金保有の目的
冒頭で指摘した通り、金関連ファンドの新規設定も続いており、2025年の新規設定ファンドの本数は9本(うち3本は12月の設定)に上ります。また、これ以外にも金への投資配分を高位に保つアセットアロケーション型(バランス型)ファンドへの資金流入、新規設定の動きも続いています。もっとも、こうしたアセットアロケーション型は以前より存在しており、ここ数年で残高が急拡大したロボアドバイザー(ロボアド)の投資一任口座やロボアドの戦略を活用したファンドなどでも金への投資を組み入れることでパフォーマンスが堅調となり、人気が高まっているケースもあるようです。こうしたアセットアロケーション型の金融商品では、金保有の目的についてリスクオフ局面に備える、株式下落時のパフォーマンスを安定させる、といったことが明記されているケースも多いですが、足元では金のパフォーマンスが非常に好調なため、金の値上がり益を期待した資金も集まっているように感じられます。短期的な値上がりを追求した金投資も投資目的の1つとして否定するものではありませんが、金関連ファンドや金を組み入れたファンドへの投資を行う際には、その保有目的を改めて確認しておくことが重要だと思われます。




