finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
注目!チャレンジする地銀

ふくおかフィナンシャルグループは「資産形成と決済」で日常と未来に寄り添う次のステージへ
~「投信のパレット」7000億円突破と新サービス「vary」

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2026.02.17
会員限定
ふくおかフィナンシャルグループは「資産形成と決済」で日常と未来に寄り添う次のステージへ <br />~「投信のパレット」7000億円突破と新サービス「vary」

ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)は1月15日、「投信のパレット」の残高が7000億円を突破し、グループ全体の投資信託残高が1兆6000億円を超えたことを発表した。そして1月16日には、会員制プログラムとクレジットカード、銀行アプリが三位一体となった新サービス「vary(バリー)」の開始も公表。この2つのサービスは一見すると異なる分野のサービスに見えるが、その根底には共通した狙いがある。

※【サービス開始】福岡銀行:2020年2月、熊本銀行、十八親和銀行:2021年4月

どちらも「顧客基盤の拡大」「長期取引の実現」「粘着性ある預金の獲得」というグループの目標を、顧客との取引を通じて達成するための戦略だと語る、同グループの営業統括部長で福岡銀行の執行役員を務める古澤哲平氏に聞いた。

ふくおかフィナンシャルグループ 営業統括部長
福岡銀行 執行役員 古澤哲平氏

「金利がある世界」の中で見直される総合取引の価値

近年、銀行業界では「金利がある世界」が戻り、預貸金の金利上昇により利ざやが確保しやすくなっている。この環境変化を受け、「預金を集めさえすればよい」「資産運用や保険といった非金利収益業務は縮小すべきだ」という声も一部で聞かれるようになった。

しかし同グループでは、預金だけの取引は金利条件次第で容易に他行へ移るという現実を直視する。預金獲得だけに依存すれば、競争は短期的かつ表層的になりがちだ。また、「そもそも低利の預金だけを集めればよいと考えるのは完全に銀行目線の話であり、インフレ環境下で預金や将来の資産の目減りをどう防ぐかという顧客目線や、日々の生活に紐づいているお客さまと預金の関係性が置き去りにされている」と古澤氏。預金を単体の取引としてとらえるのではなく、老後の資産形成やライフプランに寄り添う提案をするなど、時間をかけて信頼関係を積み上げていく取引とあわせて、顧客との「総合取引」の一つとしてとらえるべきと位置づけている。

またNISA制度は本来長期の運用を目指すものであり、投資信託や株式を、長期・積立・分散という考え方で保有していただくことを基本としている。このようなNISAによる長期運用で構築される関係をもとに、その長い時間を顧客に寄り添いながら、そのときどきに必要となる住宅ローンや消費者ローン、事業性融資、保険、相続・贈与、そして後述する日常使いの決済といった取引を提案し、それらを組み合わせることで初めて顧客の「メインバンク」となり、銀行として目指すべき「総合取引」が成立するということになる。ひとたび顧客のメインバンクとなれば、その中で行われる預金取引は簡単に他行へ流れることはないはずであり、金利がある世界に戻った今こそ、預金を総合取引の中でとらえなくてはならず、こうした総合取引の重要性が高まっていると同グループは考えている。

「投信のパレット」で確立するストックビジネス

「投信のパレット」は顧客のリスク許容度や運用目的、ライフステージに応じて投資信託を組み合わせ、長期で資産形成を行う仕組みだ。短期的な売買を目的としたものでないのはもちろんだが、顧客のコア資産を長期運用してもらうことで「生活の中に投資を自然に組み込む」ことを重視したサービスであり、その「投信のパレット」が牽引するグループ全体の投資信託残高は1兆6000億円を突破し、1兆7000億円も目前に迫っている。

「この水準に達すると、信託報酬は年間で100億円を超える見込みです。福岡銀行単体でも、地方銀行として初となる投資信託残高1兆円超えが目前に迫っています」と古澤氏は話す。残高の拡大は、地域において長期運用の必要性が浸透しつつあることを示すと同時に、顧客がFFGを「預金を預けるだけの銀行」ではなく、「人生のお金を任せるパートナー」として選んでいる結果なのであろう。また、信託報酬は、販売時に一度きりで得られる手数料とは異なり、毎年積み上がるストック型収益である。金利環境に左右されにくく、安定的にグループ収益を支えることで、戦略分野や新分野への継続的な投資も可能になるという。

「顧客本位」と「ゴールベース型トータルライフコンサルティング」

同グループでは、総合提案を行うため顧客一人ひとりのライフステージや状況に応じたサービス提供を重視している。そのための独自の営業サポートシステムを整備し、顧客のライフプランや資産背景などの情報をもとに、お金の色分け(「かりる」「ふやしてそなえる」「必要な保障や仕組みでそなえる・のこす」など)を通じて、豊かな老後を暮らすことなど、一人ひとりのゴール達成のために最適な商品・サービス提案とそれらへの最適な資金配分の案内を行っている。

この考え方に基づき、住宅ローンやオートローン、カードローン、相続・承継・信託などをリテールビジネスのラインアップとして整える一方、相対的に手薄だった日常への関与や資金移動にも注力。その一環であるバンキングアプリも、現在では150万ダウンロード超となった。

「vary」で日常の決済から顧客接点を強化

新サービス「vary」もまたこの考えに基づいてリリースした会員制プログラムとクレジットカード、銀行アプリを組み合わせ、決済を軸にした新しいサービスだ。日々の買い物や食事、移動といった地元地域でのリアルな「普段使い」の場面で、自然と同グループと接点を持ってもらうことを目的としている。「投信のパレット」が「将来」に向けた長期取引だとすれば、「vary」は「今」の「地域におけるリアル」な生活に密着した取引と位置づけられる。

「vary」とは

 

1月19日からオンエアされている、「vary」のTV-CMには、福岡出身の井桁弘恵さんを起用

決済が取引の起点となることで、給与振込や公共料金の口座振替、クレジットカード決済が日常的に使われるようになれば、預金残高は自然と安定していく。これは金利上乗せで一時的に資金を集めることとは本質的に異なる「粘着性ある預金」だと考えている。「vary」は、決済をメインにすることで取引の中心を同グループに置いてもらい、顧客基盤の拡大と取引のメイン化を実現する狙いがある。

「地域」を軸に据えた金融サービス

両サービスに共通するのは「地域」というキーワードだ。「vary」では地元の店舗やサービスと連携し、九州での普段使いに強みを持たせている。「投信のパレット」の提案においても、地域の金融リテラシー向上に貢献するため、地域の顧客の資産の構造やライフステージ、事業環境などを踏まえたきめ細かな対応を重視している。

グループが目指すのは、単に銀行として成長することではなく、地域で生まれたお金が地域で使われ、地域の未来を豊かにし、持続的に価値を生み出すエコシステムの構築だ。地域の人々の資産が増えて生活が豊かになれば消費が拡大し、店舗や企業の売上が上がり業績が改善する、その波及効果はサプライチェーンや地域の雇用、賃金上昇へと及び、産業振興を含む地域全体の成長につながる。こうした好循環に向けて、「vary」も投資信託残高の拡大も、そのための重要な要素となっている。

預金、投資信託、ローン、保険、決済——。これらを個別の商品としてではなく、顧客との長いリレーションの中でひとり一人のために、地域でのリアルな生活や事業をも含んで一体として提供する。その結果として、顧客基盤が広がり、取引がさらに長期化し、粘着性ある預金が積み上がっていく。ふくおかフィナンシャルグループの2つの新しい取り組みは、こうした戦略を着実に形にしていることを示している。

【参考】
会員制プログラムとクレジットカードを組み合わせた「お得」で「便利」な新金融サービス『vary(バリー)』の開始について

「投信のパレット」サービス残高7,000億円を突破~グループ全体での投資信託残高1兆6,000億円突破を本サービスが牽引~
 

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #投資信託
  • #ふくおかフィナンシャルグループ
  • #福岡銀行
前の記事
経営、本部、販売現場が価値観を共有し「真のコンサルティング営業」の実践へ case of ちゅうぎんフィナンシャルグループ/中国銀行
2025.12.05

この連載の記事一覧

注目!チャレンジする地銀

ふくおかフィナンシャルグループは「資産形成と決済」で日常と未来に寄り添う次のステージへ
~「投信のパレット」7000億円突破と新サービス「vary」

2026.02.17

経営、本部、販売現場が価値観を共有し「真のコンサルティング営業」の実践へ case of ちゅうぎんフィナンシャルグループ/中国銀行

2025.12.05

「ゴールベース資産管理」の実践を通じストックビジネスへの転換を加速させていく case of 足利銀行

2025.09.03

「自立と連携」を掲げて試行錯誤を重ね、確立された「銀証連携」モデルが新時代を拓く case of しずおかフィナンシャルグループ

2025.06.09

「投信のパレット」の進化形でコンサルティングのさらなる高度化へ case of ふくおかフィナンシャルグループ

2025.03.13

「リターンの提供」に徹底的にこだわりつつ
法個一体で対面の付加価値も高めていく

2024.12.12

わずか2カ月強で協定締結を実現!
常陽銀行が始めた「5金融機関と教育委員会」との金融教育

2024.11.26

若手有志が始めた公式Instagram「つみ活女子のきんゆう講座」
「気軽に相談できる地域金融機関」の強みを体現する取り組みに

2024.11.13

「正しい」資産運用を地域に提供し、獲得した信頼で残高を拡大させていく case of 広島銀行

2024.09.18

静岡経済の発展のため、長期的視野で取り組む「金融経済教育」
その土地とともに成長する企業としての義務を果たす

2024.06.27

おすすめの記事

投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング 
銀行、証券会社以外の選択肢とは?【IFA編】

Finasee編集部

【ネット証券&対面証券72社編】投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング

Finasee編集部

個人投資家の力で日本企業を変える──
マネックス・アクティビスト・ファンド、設立5周年
松本大氏が魅力を語る

finasee Pro 編集部

まだ誰も見つけていない“スター候補”企業に投資できる―今、あらためて投資の醍醐味を提示する「クロスオーバー投資」とは

Finasee編集部

1位は「シティグループ米ドル社債/欧米マルチアセット戦略ファンド2024-12」! 債券持ち切り型運用に迷い?(24年12月の外債ファンド)

finasee Pro 編集部

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
「オルカン」に歴史的な資金流入、パフォーマンスのトップは「国内半導体株」=26年1月投信概況
笛吹けど踊らぬ“あの話”がついに動き出す?「高市一強」時代に金融庁が攻勢に出る5領域とは
「支店長! ノルマから解放されたいです!」
米国経済 Deep Insight 第15回
中間選挙控えるトランプ政権2期目の試金石 移民政策厳格化がもたらす『副作用』をどうするか
「投資信託で長期投資! エッセイ・コンクール」<実務者部門>結果発表!【2月13日「NISAの日」記念】
プルデンシャル生命の組織に潜む歪み――彼らは「月のウサギ」を見上げなかったのか
【みさき透】高校の試験に「インベストメントチェーン」「顧客本位」の出題が?!こどもNISAで熱を帯びる金融教育と金融機関の関わり方

野村證券の人気ファンドはインデックスからアクティブへ? 「半導体」「純金」など投資対象を限定してリターンを狙う
第17回:「高校無償化」で加速する家計教育資金の大移動!影響を受ける意外な業種とは?
ドコモショップが「投資の入口」に? マネックス証券と連携、1月29日から一部店舗スタッフがNISA口座開設や積み立てをサポート
「支店長! ノルマから解放されたいです!」
「投資信託で長期投資! エッセイ・コンクール」<実務者部門>結果発表!【2月13日「NISAの日」記念】
SBI証券の売れ筋に変調? 純金価格の急落と米株物色の変化が「NASDAQ100ゴールドプラス」と「FANG+」を押し下げ
「オルカン」に歴史的な資金流入、パフォーマンスのトップは「国内半導体株」=26年1月投信概況
野村證券の人気ファンドはインデックスからアクティブへ? 「半導体」「純金」など投資対象を限定してリターンを狙う
プルデンシャル生命の組織に潜む歪み――彼らは「月のウサギ」を見上げなかったのか
【みさき透】高校の試験に「インベストメントチェーン」「顧客本位」の出題が?!こどもNISAで熱を帯びる金融教育と金融機関の関わり方

第17回:「高校無償化」で加速する家計教育資金の大移動!影響を受ける意外な業種とは?
笛吹けど踊らぬ“あの話”がついに動き出す?「高市一強」時代に金融庁が攻勢に出る5領域とは
楽天証券の売れ筋上位の「オルカン」など主要インデックスファンドは3年連騰、「国内株」や「純金」に分散志向?
「支店長! ノルマから解放されたいです!」
第17回:「高校無償化」で加速する家計教育資金の大移動!影響を受ける意外な業種とは?
「IFAエグゼクティブ・サーベイ2025」注目ポイントを一挙解説(1)――ビジネス戦略編
【みさき透】高校の試験に「インベストメントチェーン」「顧客本位」の出題が?!こどもNISAで熱を帯びる金融教育と金融機関の関わり方

中道改革連合「ジャパン・ファンド構想」の見過ごせないリスクと、実現に向けた論点
ドコモショップが「投資の入口」に? マネックス証券と連携、1月29日から一部店舗スタッフがNISA口座開設や積み立てをサポート
「IFAエグゼクティブ・サーベイ2025」注目ポイントを一挙解説(2)――コンプライアンス・ガバナンス編
「投資信託で長期投資! エッセイ・コンクール」<実務者部門>結果発表!【2月13日「NISAの日」記念】
野村證券の売れ筋にみる2026年の活躍期待ファンド、「宇宙関連株」は「日経225」と「米国テック株」を上回るか?
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉘
2025年投信資金フローは、外国株式型が減速する一方でアロケーション運用のニーズ拡大
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら