finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
藤原延介のアセマネインサイト

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉖
~米国投資信託最新事情
ミューチュアルファンド初の30兆ドル突破も、米国株ファンドから過去最大の資金流出

藤原 延介
藤原 延介
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2025.12.01
会員限定
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉖<br />~米国投資信託最新事情<br />ミューチュアルファンド初の30兆ドル突破も、米国株ファンドから過去最大の資金流出

日本が資産運用立国として成長していくためには、めまぐるしく変化する市場や投資家ニーズに柔軟に対応していくことが、今後さらに重要になるだろう。そのことがうかがえる、足元の米国投信と業界の状況を藤原氏が解説。

10月30日に米投資信託協会(ICI)が2025年9月の投信市場データを公表しました。7-9月期の株式市場は米テクノロジー企業を中心に堅調な動きとなり、米ミューチュアルファンド、ETFもその恩恵を大きく受けたようです。代表的な米国株価指数をみると、NYダウ平均株価が3カ月で5.2%の上昇、S&P500指数が7.8%、ナスダック総合指数は11.2%といずれも大幅な上昇となりました。米ミューチュアルファンドの残高は、株式ファンドの値上がりなどから2四半期連続で過去最高を更新し、初めて30兆ドルの大台を突破しています。以下、7-9月期のミューチュアルファンドとETFの動向を確認していきたいと思います。

ミューチュアルファンドが初の30兆ドル突破

2025年9月末時点のミューチュアルファンドの残高は前期(6月末)比+3.6%の30.8兆ドルと初めて30兆ドルを突破し、2四半期連続で過去最高を更新しました。年初の株価低迷で1-3月に残高減少に見舞われたものの、その後の株価反発とともに順調に残高を拡大しています。図表に示した5つの分類で最も増加率が高かったのが国際株式型で前期比+4.9%の3.6兆ドルとなっています。次いで、MMF型が同+4.2%で、残高は7.3兆ドルに達しています。米連邦準備理事会(FRB)が9月16-17日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で9カ月ぶりの利下げを行ったものの、MMFは13四半期連続の増加となりました。MMFは値上がり益が限定的であることから、引き続き高水準の資金が向かっているものと考えられます。一方で、増加率が最も低かったのが米国株式型(米国株ファンド)で、7-9月期は+2.9%の増加にとどまりました。同カテゴリーの残高は12.7兆ドルと、依然としてミューチュアルファンド全体の4割強を占めているものの、そのシェアは徐々に低下している状況です。


☑拡大画像

米国株ファンドから過去最大の資金流出

続いて、ミューチュアルファンドの資金フローの動向を見てみましょう。7-9月期における資金フローは、全体で-2296億ドルの資金流出と、3四半期連続のマイナスとなりました。MMFが+2500億ドル、債券型が+802億ドルと資金流入を記録する一方で、株式型、バランス型には高水準の利益確定売りが広がったようです。すでに指摘したように、米国株式相場が極めて堅調に推移する中で米国株ファンドの残高増加率が限定的となった背景には、7-9月期における資金流出額が過去最大となったことが背景にあります。米国株式型からの資金流出額は-5043億円に達しており、グラフでも確認できる通り、これまで最大だった2024年10-12月の-1989億ドルを大きく上回る資金流出額となりました。日本の投資信託の資金フローにおいて、日本株ファンドが逆張りで活用される特徴があるように、米ミーチュアルファンドにおける米国株ファンドも上昇した場面では大きく売られる対象になりつつあると言えるのかもしれません。

なお、長期投資信託(MMFを除くミューチュアルファンド)に限ってみると、資金流出は16四半期(4年間)連続となっています。この点は、過去の当連載でも解説したように、長期投資信託を活用した資産形成を進めてきたベビーブーマー(出生率が上昇した1946年から1964年に生まれた世代)の資産の取り崩しといった要因に加えて、上場投資信託(ETF)や集団投資信託(CIT:Collective Investment Trust)と呼ばれる新しい金融商品に資金がシフトしているものと思われます。


☑拡大画像

ETFへの資金流入続き、残高は12兆ドル突破

9月末時点の米ETFの残高を見ると、8四半期連続で増加し、12.6兆ドルと過去最高を更新中です。2024年12月末に初めて10兆ドルの大台に到達したばかりですが、その後も急ピッチで市場が拡大しており、長期投資信託との残高との差は急速に縮小しています。また、ETFと長期投資信託の資金流出入(ETFの場合は、Net Issuanceのデータを使用)を見ても、7-9月に長期投資信託が-4780億ドルの資金流出となる一方で、ETFは+3661兆ドルの資金流入と対照的な動きとなっています。日本では、ロボアドなどの金融サービスにおいて、利便性の高いETFが活用されているケースもありますが、米国の状況と比べるとETFへの投資はまだまだ限定的です。しかし、米国だけでなく欧州でも投資信託からETFへの資金シフトは見られており、投資家タイプごとにどのような形でETFを利用しているのか、知っておくことは極めて重要と言えるでしょう。


☑拡大画像

 


 

10月30日に米投資信託協会(ICI)が2025年9月の投信市場データを公表しました。7-9月期の株式市場は米テクノロジー企業を中心に堅調な動きとなり、米ミューチュアルファンド、ETFもその恩恵を大きく受けたようです。代表的な米国株価指数をみると、NYダウ平均株価が3カ月で5.2%の上昇、S&P500指数が7.8%、ナスダック総合指数は11.2%といずれも大幅な上昇となりました。米ミューチュアルファンドの残高は、株式ファンドの値上がりなどから2四半期連続で過去最高を更新し、初めて30兆ドルの大台を突破しています。以下、7-9月期のミューチュアルファンドとETFの動向を確認していきたいと思います。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #米国投信
  • #ミューチュアルファンド
  • #ETF
前の記事
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉕
NISA利用状況に変化あり⁉ 4-6月期のつみたて買付額が減少
2025.11.04

この連載の記事一覧

藤原延介のアセマネインサイト

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉖
~米国投資信託最新事情
ミューチュアルファンド初の30兆ドル突破も、米国株ファンドから過去最大の資金流出

2025.12.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉕
NISA利用状況に変化あり⁉ 4-6月期のつみたて買付額が減少

2025.11.04

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉔
過去最大となった個人マネーで広がる物価高対策

2025.10.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉓
~米国投資信託最新事情
拡大続く米ETF市場、アクティブETFの本数はついにインデックスETF超え!

2025.09.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉒
外国株式ファンドの資金流入減速とトレンド変化の兆し

2025.08.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉑
パフォーマンス好調な欧州株ファンドに約11年ぶり高水準の資金流入

2025.07.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト⑳
~米国投資信託最新事情
2025年1〜3月の米投信動向と米投信業界のさらなる進化

2025.06.02

【連載】藤原延介のアセマネインサイト
⑲高齢者向けNISA創設の報道で再注目される毎月分配型ファンド

2025.05.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト
⑱日経平均下落で日本株ファンドに資金流入も、アクティブ型の人気に陰り

2025.04.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト⑰
~米国投資信託最新事情
2024年の米投信市場を振り返る 米ETFに1兆ドル超の資金流入、残高10兆ドル突破!

2025.03.03

おすすめの記事

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

トランプの米国に疲れた皆さん、欧州はいかが?日本で唯一の「英国株インデックスETF」が上場!

finasee Pro 編集部

【新NISA対象】ブラックロックから「iシェアーズ S&P500 トップ20 ETF」「iシェアーズ ゴールド ETF」が上場! 個人投資家にとっての魅力は…

Finasee編集部

日経平均はもう古い?野村アセットが参入!日本の魅力を凝縮した「JPXプライム150」連動ETFが上場 先物取引もスタート

finasee Pro 編集部

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉖
~米国投資信託最新事情
ミューチュアルファンド初の30兆ドル突破も、米国株ファンドから過去最大の資金流出

藤原 延介

【運用会社ランキングVol.3/販売会社一般編②】販社からの評価を高める「野村」の底力と「フィデリティ」の運用力、2年連続で総合トップの「アモーヴァ」は安泰か

finasee Pro 編集部

「ピクテ・ゴールド」に続く高パフォーマンスファンドは? アイザワ証券の売れ筋にみる可能性

finasee Pro 編集部

毎月分配型解禁見送りと運用立国の「親離れ」――地銀は新強化プラン+口座付番義務化で”地域金融出先機関”に?
【オフ座談会vol.10:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】

finasee Pro 編集部

浜銀TT証券の売れ筋で存在感を増す「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド」、「世界の実物資産中心」も好成績

finasee Pro 編集部

著者情報

藤原 延介
ふじわら のぶゆき
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社し、サステナブル投資や欧州規制動向など資産運用に関連する情報発信を担う。1998年三菱信託銀⾏⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパン。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど約25年に渡りリサーチ、投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【金融風土記】東日本大震災からまもなく15年、福島の金融勢力図を読む
「ピクテ・ゴールド」に続く高パフォーマンスファンドは? アイザワ証券の売れ筋にみる可能性
毎月分配型解禁見送りと運用立国の「親離れ」――地銀は新強化プラン+口座付番義務化で”地域金融出先機関”に?
【オフ座談会vol.10:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
足利銀行の売れ筋にみる「コア・サテライト」の投資戦略、新たな「コア」が期待されるファンドも登場
現状の貸倒引当金の問題点
八十二銀行で「ゴールド・ファンド」が売れ筋トップ、国内株上昇で「ひふみプラス」もランクイン
みずほ銀行の売れ筋は単位型ファンドの一巡で定番ファンドが復調、意外と高リスクのファンドが人気化
西日本シティ銀行の売れ筋ランクアップファンドに価格変動の洗礼、価格波乱なく堅調に推移するファンドとは?
1000億円規模で新規設定された「野村日本バリュー厳選投資」、新規設定金額は2カ月連続大幅増 =25年10月新規設定ファンド
長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで
【金融風土記】東日本大震災からまもなく15年、福島の金融勢力図を読む
【運用会社ランキングVol.1】販売会社が運用会社に求めるものは、運用力か人的支援か? 2025年の評価を発表!
足利銀行の売れ筋にみる「コア・サテライト」の投資戦略、新たな「コア」が期待されるファンドも登場
【運用会社ランキングVol.2/販売会社一般編①】銀行・証券会社からの評価トップは2年連続でアモーヴァ・アセットマネジメント、新NISA2年目で変転期の投信市場が求める運用会社は?
西日本シティ銀行の売れ筋ランクアップファンドに価格変動の洗礼、価格波乱なく堅調に推移するファンドとは?
【連載】こたえてください森脇さん
⑬若手の職員への教育が不足。効果的な方法は?
八十二銀行で「ゴールド・ファンド」が売れ筋トップ、国内株上昇で「ひふみプラス」もランクイン
毎月分配型解禁見送りと運用立国の「親離れ」――地銀は新強化プラン+口座付番義務化で”地域金融出先機関”に?
【オフ座談会vol.10:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
三井住友銀行の売れ筋でランクアップしたファンドは? ランクインした「ライフ・ジャーニー」は期待以上のリターン
長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで
【新連載】プロダクトガバナンス実践ガイド~製販情報連携の背景と事例
①プロダクトガバナンスが注目される背景と製販情報連携の重要性
【金融風土記】東日本大震災からまもなく15年、福島の金融勢力図を読む
【連載】こたえてください森脇さん
⑪預かり資産業務に対するマネジメント層の理解が低い
【運用会社ランキングVol.1】販売会社が運用会社に求めるものは、運用力か人的支援か? 2025年の評価を発表!
【みさき透】高市内閣で「運用立国」から「投資立国」へのシフトが加速へ
【連載】こたえてください森脇さん
⑫元本保証でない商品の販売を嫌がる職員への働きかけ
【文月つむぎ】証券口座乗っ取り被害ゼロへ 金融庁の新監督指針を読み解く
長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで
銀行・保険会社による暗号資産解禁案、金融庁がにじませた「躊躇」を指摘する声も。その理由とは…?
三井住友銀行の売れ筋でランクアップしたファンドは? ランクインした「ライフ・ジャーニー」は期待以上のリターン
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら