—— NISAの拡充をはじめ、資産運用ビジネスを巡る外部環境は大きく変化しつつあります。現状をどう捉えていますか。
足元の物価上昇や国際情勢の不安定化と相まって、今回の NISA 制度の拡充は投資未経験層の意識に決定的な変革をもたらし得ると考えています。輸入コストの増大などに伴うインフレが進む一方、賃金水準のフラットな状況が長期化すれば、これまでのように預金中心ではいけないとの認識がさらに広がっていくはずです。
長らく停滞していた「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」 の流れを一気に推進するため、非課税保有期間の無期限化、そして投資上限額の拡大は、いずれも時宜を得た施策と言えるでしょう。短期的な売買タイミングを見計らうのではなく、時間をかけて資産を成長させる意義について理解を深める場を、この機会に広く提供することが重要です。