コロナ禍で先が見えない時代、「退職金のようなまとまったお金を投資したら、その直後に大きく減ってしまうかも……」と不安を口にする人が増えています。でも、そんな不安や心配も積立投資(=時間分散)なら払拭できることを、前回の「受取は一括でも、投資は分割で!「退職金デビュー」でも使える積立投資」でご紹介しました。

今回は、投資のリスクを軽減するためのもう1つの方法、「分散投資(=資産分散)」の話です。「分散投資」と聞くと、「知っているよ、そんなこと」とおっしゃる方も多いかもしれませんね。というのも、投資の三大原則と言われる長期・積立・分散の中でも、一番理解している人が多いのが「分散投資」だと言われているからです。

例えば、フィデリティ・インスティテュート 退職・投資教育研究所による「2020年ビジネスパーソン1万人アンケート」によれば、54.7%の人が「分散投資」を理解している、とのこと。「長期投資」の52.0%、「積立投資」の37.1%を抑えて、三大原則の中では一番理解度が高いのです。

面白いのは、頭では理解していても、実際にやろうとすると悩んでしまうのが「分散投資」、ということですね。いわゆる「言うは易く、行うは難し」の典型でもあります。ですから、今回は、いきなり「分散投資」の説明から入るのではなく、誰もが理解しておくべき投資の基本、「リスクとリターンの法則」からはじめてみましょう。

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セミナー参加者(以下、参加者)
あの~、横から失礼します。
後ろで話をお伺いしていて、積立投資だと「投資してすぐに大きく減ってしまうリスク」を大幅に軽減できることは分かりました。
でも、やはり気になるのは損をすること。この「損をするリスク」を減らす方法って、ないんですか?

講師
なるほど……。それでは、まず確認させてください。
「損をするリスクを減らす」って、具体的にどういうことですか?

参加者
えっ、逆に質問ですか……。