前回、投資信託相談プラザのオンライン資産運用セミナーに参加して、今まで誰も教えてくれなかった投資や運用の仕組み、資産形成の方法などをIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の方から教わったのはとても大きな収穫でした。しかし、自分の保有資産を実際にどうしたらよいかまでは分かりませんでした。オンラインセミナーで聞いたところによると、次は希望すれば個別相談ができるとのことで早速申し込んでみることに。無料で相談できて、かつ商品の売り込みもないそうなので安心して予約できました。ちなみに相談したい内容は以下のとおりです。

【黒畑さんの資産運用の悩み】 ・退職金で契約したファンドラップを解約すべきか…保有期間7年間のうち5年以上で元本割れ。ここ数カ月で若干戻してきたので、そのタイミングで売却すべきか。 ・老後資金は足りるのか? 保有資産を取り崩して何年もつのか、足りないならどうすべきか…退職後、業務委託で細々と働いているが、コロナ禍で今後の収入がどうなるか分からない。母親の介護も続く中、老後資金が足りるか心配。

このままでいい?銀行に勧められるまま始めた退職金運用

個別相談に行った4月上旬、東京では新型コロナウイルスの新規感染者数が増加中で、対面での相談をためらう気持ちもありました。しかし実際に相談に行ってみると、予想以上に広いスペースで換気もよく、大きめのアクリルパネル越しに話せるので安心して相談することができました。

今回の相談担当者の岡田千佳さんは、IFAになる前は証券会社や銀行でさまざまな金融商品を扱ってこられたそうで、とても話しやすい雰囲気の方。早速、7年前、55歳で両親の介護のために早期退職し、その後は介護の傍ら単発の業務委託で現役時代の約半分の収入で生活していること、そして現在保有しているおおよその資産の内訳を伝え、いよいよ悩みの種であるファンドラップ(※)の話になりました。

※)ファンドラップ…まとまった資金を銀行や証券会社などに預けて、顧客のリスク許容度や運用スタイルなどに応じてプロが複数の投資信託でポートフォリオを組み、投資・運用を行うサービスのこと。銘柄の組み入れやリバランスなどの管理・運用を顧客の代わりに行い、定期的な報告を行うことで手数料が発生する。

私の場合、退職金は給与振り込みに使っていた銀行口座に一括して振り込まれました。当時、退職金の運用方法については深く考えておらず、とりあえず3カ月限定で高い利息が付くという定期預金を作りました。その定期預金が満期となり銀行に手続きに行った際、窓口で勧められるまま契約したのがファンドラップだったのです。

その時の説明では、投資のプロが顧客に代わって運用するサービスで、老後の資産形成を安心して任せられる良い商品だと思ったのですが…。今思えば「他人任せは高くつく」の言葉通り、契約してから7年間の大半で元本割れ、資産は思ったように増えていないのです。

すると岡田さんから、「手数料はいくらですか?」との質問。正直、ファンドラップに手数料がかかることは知っていても、その料率までは把握していませんでした。持参してきた運用報告書を見せたところ、すぐに手数料を調べてもらえましたが、説明を聞いているうちに、私が思うように資産が増えていないと感じる原因の多くはこの手数料にあるだろうことが分かってきました。

その説明を聞いた感想は「えっ、そんなこと誰も教えてくれなかった」の一言なのですが、主なポイントは次の3つだと言えそうです。

①ファンドラップそのものは悪いサービスではない ②資産が増えない理由の一つは手数料 ③手数料の低い投資信託(ファンド)に切り換え、自身で運用するのも一つの解決法

ファンドラップを「他人任せは高くつく」サービスだと決め込んでいた私にとって、ファンドラップそのものは悪いものではないという説明は意外でした。でも、よく聞いてみるとその通りで、常に変動するマーケットを自分で観察して運用する手間を考えたら、すべてを任せられるファンドラップは運用の知識や時間のない投資家にとっては良いものだという説明に納得。

ではなぜ私の保有しているファンドラップが思ったほど増えなかったかといえば、運用期間中のマーケットが世界的に低調だったので運用益がそれほど多くなく、かつそれを上回る手数料がかかっていたため元本割れの期間が長かったということでした。そこで自分で手数料の低い投資信託を選んで、それらを複数組み合わせて運用することも一つの解決策だということが分かりました。実際、今は手数料の低い投資信託がたくさん出てきており、それを選ぶ人が増えているということでした。

でも、手数料の低い投資信託は「安物買いの銭失い」みたいなものでかえって運用益が出にくいのでは?という疑問を持ったので、岡田さんに質問してみました。その答えは、今まで誰も教えてくれなかった投資信託の運用の仕組みでした。

一口に投資信託といっても、日経平均株価などのマーケット指数に連動するインデックスファンドと、ファンドマネジャーが積極的に運用して高パフォーマンスを狙うアクティブファンドがあるということです。運用に手間をかけるアクティブファンドのほうが手数料(信託報酬)は高く、インデックスファンドのほうが低い。しかもインデックスファンドは指数が上がれば連動してパフォーマンスも上昇する仕組みなので、株高の昨今は特に支持を得ているのだそうです。

確かにアクティブファンドではファンドマネジャーによって大きくパフォーマンスに差が出ることはあるけれど、インデックスファンドでは同じ指数をベンチマークしたファンドならどれもパフォーマンスは大して変わらない。ならば私の場合、インデックスファンドで信託報酬の低いファンドに乗り換えれば、今までより運用益は出やすくなるのでは? 長年悩んでいたファンドラップをどうするかの方向性がはっきりしました。

「老後資金はいつ尽きる?」をシミュレーション、最適な運用法は?

次にいよいよ老後資金についてです。ファンドラップのほか預貯金、数年前から始めた株式投資などを合わせた現状の保有資産は1750万円ほど(下図)。世間で言われている老後資金2000万円よりは少なく、いつまで働けるかも分からない上に母の介護費用も年々増える一方、かなり心配という話をすると…。

【黒畑さんの保有資産】 1.  普通預金・定期預金 800万円(うち外貨預金300万円含む) 2.  株式 650万円 3.  投資信託 300万円(ファンドラップ)

岡田さんは相談ブースの壁面に設置されたディスプレイを使って、1750万円の老後資金を2%と5%という二通りの利回りで運用しながら取り崩した場合、どれくらいの年数を持ちこたえられるかというシミュレーションを、ツールを使ってしてくれました。例えば1750万円の老後資金を月10万円ずつ取り崩していくと、何も運用しなければ14年半で底をつく。しかし、年2%運用なら17年、5%運用なら27年もつというのです。老後資金を運用する・しないでこんなに差が出るものかと正直びっくりしました。

私の場合、65歳で完全リタイアしても年2%で運用できれば82歳まで年金+月10万円の生活ができることが分かり、安心するのと同時に、これがオンラインセミナーで教えてもらった「ゴールベース」で資産を運用する考え方なのだと納得しました。

さて、そのゴールを決めた後の運用法ですが、今のような低金利時代に年2%運用でさえ私のような初心者の投資家には難しいように思えます。そこに、岡田さんから「リスクを取っていくものと、守りながら運用していくものを分けて考えた方がいいですよ」とのアドバイスが。

一つには、高いリターンが見込める株式型の投資信託などはどこかで下落することを前提に、積立投資をして平均購入単価を下げる、つまりオンラインセミナーで習った「ドルコスト平均法」の活用が重要。その際に大切なのは、積立を継続できる資金を持っておくこと。つまり積立を継続できないことがリスクであり、それさえクリアできれば、今が高い・安いと買い時を気にしなくてもよいわけです。この考え方を知ることで、多少リスクのある運用もできそうな気がしてきました。

一方で、守りながら運用していくものとして債券についても教えてもらいました。債券は現状、円建てではなかなか高利回りのものはないが、外貨建てなら利率の高いものも多いとのこと。例えば、米ドル・豪ドル建ての債券なら年1.5%~2%程度の利率のものもあると教えてもらえ、何となく老後資金の運用についても先が見えてきました。

こうして気が付けばあっという間に1時間が過ぎてしまったのですが、相談の目的であった保有ファンドラップの扱いと老後資金について明確な方向性が見出せました。今後は相談結果に沿って、ファンドラップからより手数料の低い投資信託への切り替えと、ゴールを決めての老後資金の運用を考えたいと思います。

ただ、現状ファンドラップを契約してから7年間、銀行は全く連絡をくれず売りっぱなしの状態なので、適切な商品を見つけることができるか心配です。投資信託相談プラザなら銀行や証券会社の選び方もアドバイスしてくれ、さらに提携するネット証券では手数料の低い投資信託も多く扱っているそうなので、あらためて訪れようかと思っています。