「老後資金はいつ尽きる?」をシミュレーション、最適な運用法は?

次にいよいよ老後資金についてです。ファンドラップのほか預貯金、数年前から始めた株式投資などを合わせた現状の保有資産は1750万円ほど(下図)。世間で言われている老後資金2000万円よりは少なく、いつまで働けるかも分からない上に母の介護費用も年々増える一方、かなり心配という話をすると…。

【黒畑さんの保有資産】 1.  普通預金・定期預金 800万円(うち外貨預金300万円含む) 2.  株式 650万円 3.  投資信託 300万円(ファンドラップ)

岡田さんは相談ブースの壁面に設置されたディスプレイを使って、1750万円の老後資金を2%と5%という二通りの利回りで運用しながら取り崩した場合、どれくらいの年数を持ちこたえられるかというシミュレーションを、ツールを使ってしてくれました。例えば1750万円の老後資金を月10万円ずつ取り崩していくと、何も運用しなければ14年半で底をつく。しかし、年2%運用なら17年、5%運用なら27年もつというのです。老後資金を運用する・しないでこんなに差が出るものかと正直びっくりしました。

私の場合、65歳で完全リタイアしても年2%で運用できれば82歳まで年金+月10万円の生活ができることが分かり、安心するのと同時に、これがオンラインセミナーで教えてもらった「ゴールベース」で資産を運用する考え方なのだと納得しました。

さて、そのゴールを決めた後の運用法ですが、今のような低金利時代に年2%運用でさえ私のような初心者の投資家には難しいように思えます。そこに、岡田さんから「リスクを取っていくものと、守りながら運用していくものを分けて考えた方がいいですよ」とのアドバイスが。

一つには、高いリターンが見込める株式型の投資信託などはどこかで下落することを前提に、積立投資をして平均購入単価を下げる、つまりオンラインセミナーで習った「ドルコスト平均法」の活用が重要。その際に大切なのは、積立を継続できる資金を持っておくこと。つまり積立を継続できないことがリスクであり、それさえクリアできれば、今が高い・安いと買い時を気にしなくてもよいわけです。この考え方を知ることで、多少リスクのある運用もできそうな気がしてきました。

一方で、守りながら運用していくものとして債券についても教えてもらいました。債券は現状、円建てではなかなか高利回りのものはないが、外貨建てなら利率の高いものも多いとのこと。例えば、米ドル・豪ドル建ての債券なら年1.5%~2%程度の利率のものもあると教えてもらえ、何となく老後資金の運用についても先が見えてきました。

こうして気が付けばあっという間に1時間が過ぎてしまったのですが、相談の目的であった保有ファンドラップの扱いと老後資金について明確な方向性が見出せました。今後は相談結果に沿って、ファンドラップからより手数料の低い投資信託への切り替えと、ゴールを決めての老後資金の運用を考えたいと思います。

ただ、現状ファンドラップを契約してから7年間、銀行は全く連絡をくれず売りっぱなしの状態なので、適切な商品を見つけることができるか心配です。投資信託相談プラザなら銀行や証券会社の選び方もアドバイスしてくれ、さらに提携するネット証券では手数料の低い投資信託も多く扱っているそうなので、あらためて訪れようかと思っています。