ESG投資には主に2つのメリットがある

ESG投資を簡単に説明すると、環境問題や社会問題などの解決への取り組みから企業の長期の成長性や持続可能性を評価して投資する手法のこと。Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3つの課題の頭文字をとってESG投資と呼ばれています。

メリットとしては、主に「長期投資に向いている」「投資で社会貢献できる」の2つ。

ESGを重視した経営を行う企業は、長期視点で見ると社会的な価値が高くなるといわれています。その企業の取り組みを支持する人が増えれば、商品購入者やサービス利用者も増加。結果的に利益の向上につながり、投資家にとっては、長期運用でリターンを得られる可能性が高いといえます。

また地球温暖化問題や労働環境の改善などに取り組む企業への投資は、間接的ですが、社会貢献にもつながります。つまり、投資と社会貢献を両立できるわけですね。

投資信託(ファンド)なら簡単にESG投資を実践できる!

そんなESG投資ですが、投資信託のほかに株式投資でも実践できます。それでも投資信託をおすすめするのは、そもそも投資先の企業を個人投資家がESGの視点からリサーチするのは、ほぼ不可能に近いからです。特にESGへの取り組みを企業の成長性と関連付けて評価するのは困難で、やはりプロの領域だといっていいでしょう。

投資信託であれば、資産運用のプロがESGの観点からすでに投資先の企業を選別してくれています。そのため、個人投資家はESGをテーマにした複数の投資信託の中から、自分に適したものを選べば良いだけということになります。

評価会社がピックアップしたESG関連の投資信託(ファンド)を見てみよう

ただし厳密にいうと、「国内株式型ファンド」「バランス型ファンド」などと同じように「ESGファンド」というカテゴリーがあるわけではありません。

そこで今回は、投資信託の評価を行う三菱アセット・ブレインズに独自の基準でESG関連の投資信託を選んでもらったところ、39の商品が該当しました。

以下、一挙に紹介します。

				 		ESG関連ファンドの名称と純資産総額 (百万円)*、分類 	1	グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(未来の世界(ESG))	925,215

出所:三菱アセット・ブレインズ

上表では三菱アセット・ブレインズがESG関連と定義した投資信託のうち、2015年以降に設定されたものを純資産総額の多い順に並べています。純資産総額は、投資家から集めている資産の規模を意味していますから、上位にある投資信託ほど、多くの投資家から支持を集めているといってもいいでしょう。

また、上位を見ると国内ではなく外国株式を投資対象とする投資信託が多くなっています。これには2つの背景があると思われます。

1つは、ESG投資が欧米を中心に普及しているため。もう1つは、成長力の高い企業が海外に多いためです。

例えば総運用資産に対するESG投資の比率は、2018年時点でヨーロッパは48.8%、アメリカでは25.7%。一方で日本は18.3%にすぎません。ESGに対する意識の高い海外のほうが、持続可能な社会に向けた取り組みを強化する企業=投資先の選択肢も多いといえます。

また、特にアメリカではAppleやAmazonなど世界をリードするような企業が次々に登場し、経済の原動力になっています。かつてはFacebookなどもそうであったように、「ユニコーン企業(設立10年未満で、企業価値が高い未上場企業)」の大半はアメリカで誕生。成長力の高い企業が集まる市場は、投資家を惹きつけます。そのためESGの分野でも、外国株式への投資が多くなっているようです。

「過去のパフォーマンス」と「取り扱い販売会社」もチェックして商品を選ぼう!

ここまでESG投資の手段として投資信託をおすすめする理由と、39の商品を紹介してきました。

実際に投資信託を選ぶ際には、まずは「過去のパフォーマンス」をしっかりチェックすること。上述した投資家からの支持の目安ともいえる「純資産総額」が増えているかどうか。そのほか、「取り扱い販売会社」なども確認しておきましょう。

取り扱っている販売会社が多いということは、購入しやすい商品であるといえます。例えば銀行や証券会社の窓口でしか販売していない商品だと、会社員の方などは平日に店舗を訪れて購入するのがなかなか難しいかもしれません。

しかし、ネット証券で取り扱っていれば、仕事が終わった後でもパソコンやスマホから購入することができます。

ちなみに、上述の39の投資信託のうち、純資産総額上位10ファンドの取り扱い販売会社と信託報酬をフィナシー編集部で調べたところ、以下の結果になりました。

左からファンド名、純資産総額(21年1月・20年8月)、販売社数、信託報酬です。 1 グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(未来の世界(ESG)) 925,215 523,928

純資産総額が最も多かったのは「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」。2020年7月の公開ながら、2位以下と大きく差をつけています。この商品が購入できるのはみずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行の3社のみです。

取り扱い販売会社が最も多かったのは「ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド(資産成長型・為替ヘッジなし)」。SBI証券や楽天証券といったネット証券でも購入できます。

なお、信託報酬については、あくまで参考材料ととらえてください。

そもそも信託報酬とは、投資信託を保有している間、支払い続けなければいけない手数料のこと。ですから低いに越したことはありませんが、一方で、ESG関連の投資信託は「日経平均株価」といった株価指数などのベンチマークを上回る運用成果を目指すアクティブファンドがほとんどです。ベンチマークの動きに連動して運用を行うインデックスファンドほど信託報酬に敏感になる必要はないでしょう。

今回の記事を参考にしながら、ぜひご自身に合った投資信託を選んでみてください。