老後資金形成はどうすれば良い?

このままでは、お子さんが大学を卒業される時には、山本さん51歳、ご主人は56歳になりますが、公的年金以外の老後資金が全くありません。56歳のご主人は60歳を定年と想定しましょう。

お子さんが大学を卒業されれば学費が掛からなくなるので、毎月13万円ほど貯めることが出来るでしょう。13万×48カ月=624万円の貯金が出来ます。ボーナスも含めると、4年間で1000万円ほど貯められます。

ただ銀行預金で積み立てるのではなく、iDeCoやつみたてNISAを利用すると運用益が非課税になり、有利に資産形成が出来ます。それに加え、iDeCoは掛金全額所得控除されます。その結果、その年の所得税、翌年の住民税が軽減されます。

ただ、どちらも掛け金の上限があります。つみたてNISAは年間40万円まで、iDeCoは、職種により上限が違いますが、会社員で企業年金がない場合は2万3000円までです。さらに、iDeCoは掛金できる期間が60歳未満です(令和4年5月からは、第2号被保険者等の国民年金被保険者であれば、65歳まで加入出来ます)。

よって、13万円毎月貯められても、iDeCoの掛金は最大2万3000円分までしかできません。また、専業主婦である奥様もiDeCo加入は出来ますが、奥様の分の掛金をご主人の所得から控除する事は出来ません。

iDeCoのメリットを最大限に活用するには、少しずつ、できるだけ早くから

加入できる年齢に期限があるため、早めにiDeCoを利用して、老後資金の準備をしましょう。

万が一の貯金が250万円あるので、お子さんが中学になられてからの2万円分を貯金ではなくiDeCoにすると、60歳になるまでに2万円×12ヶ月×14年=336万円の元金ですが、所得税(所得税率10%)33.6万円と住民税33.6万円の計67.2万円の軽減が出来ます。
※iDeCoに掛かる諸費用(口座開設、月々の口座管理費等)は考慮していません。

お子さんが中学に上がってから、月2万円を複利で積立した場合、14年後(ご主人が60歳のとき)の元金の積立合計は336万円ですが、3%の利率で運用した場合417万円、6%での運用が叶えば525万円に殖やすことが出来ます。税金の軽減分と利息分で、そのまま貯金するより約256万円多くなります。

また、時間を分散して、長期に積み立てることで、価格の変動リスクに対応できます。

さらにお子さんが高校に進学した後などは、iDeCoを満額にした残額はつみたてNISAに回して運用しましょう。つみたてNISAは、必要な時にいつでも現金化できることも特徴です。