親が70代後半になったら兄弟姉妹を交えて相続の話し合いをすべき

税理士や信託銀行などの相続のプロに話を伺うと、「仲の良かった家族が親の相続でバラバラになったというケースもあるけれど、普段からコミュニケーションが少ない家族のほうが争続のリスクはずっと高い」そうです。皆が相手の置かれている状況をよく知らずに自分に都合のいい主張ばかりするわけですから、それは険悪にもなるでしょう。

認知症の有病率は70代後半で10%程度と言われています。親がこれくらいの年齢に差し掛かったら、年末年始やお盆など家族で集まった際に、相続についてそれぞれの思いを話し合う時間を持つことをお勧めします。

子どもからは切り出しにくい話題ではありますが、兄弟姉妹が一致団結すればハードルはぐんと下がります。むしろ、親のほうもそうした機会をうかがっている可能性が大です。

相続を経験した方ならお分かりいただけると思いますが、有効な争続対策ができるのは、親の存命中、さらに言うなら親の認知機能が正常な間だけです。気の重い話ではありますが、貴重なチャンスを逃さないよう、早めに手を打っておきましょう。