DC加入者もiDeCoが併用できるようになる
勤務先でDC(企業型確定拠出年金)に加入しているサラリーマンの方は、iDeCo(個人型確定拠出年金)が自分には関係のない制度だと思っていないでしょうか。確かに今はそうかもしれません。しかし、2020年5月に成立した年金制度改正法で状況が変わっています。
現在は勤務先でDCに加入しているとiDeCoの利用が制限されますが、2022年10月以降はDCとiDeCoとが併用できるようになります。この改正によってiDeCoはほとんどのサラリーマンが利用可能な制度となり、2020年8月時点で約169.1万人という加入者数は将来的に大きく増えていきそうです。
そこで今回は、50代のサラリーマンがiDeCoを活用する際のポイントについてお話ししたいと思います。
50歳以降の加入は20~30代での加入に比べると不利?
現状、iDeCoで毎月積立投資ができるのは60歳までです。50歳になってすぐに始めたとしても、10年間しか資金を拠出することができません。これでは、老後資金を準備するにも限度があります。加えて、リスクを伴う運用の場合、「運用する期間が長いほどリターンが平準化され、リスクが安定する」というのが鉄則です。
こうした観点からは、50代でのスタートは20~30代と比べて相対的に不利なように思えます。結果的に、「今さら加入しても間に合わない」と諦めてしまう人もいるようです。
しかし、本当にそうでしょうか。
先の法改正によって、2022年5月からは国民年金の被保険者であれば60歳以上もiDeCoに加入できるようになり、積立期間は65歳まで、受給開始時期は75歳まで延長されています。「たかが5年」と思うかもしれませんが、50歳からの加入を想定すれば積立投資の期間が1.5倍になるわけで、この“延長効果”は侮れません。