三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年4月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は15本と前月(37本)から大幅に減少し、設定総額は約150億円と前月(約430億円)から大きく減少した。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)でトップは、フィデリティ投信の「フィデリティ・欧州割安成長株投信 B(ヘッジなし)」で約96億円だった。同ファンドは欧州の割安な成長株に投資するファンドだが、三菱アセット・ブレインズは「米国株式に偏重したポートフォリオの分散投資先として資金を集めたと推察される」としている。今年に入ってから、インド株式型、日本株式型、外国債券型、プライベート資産ファンドの4本が、それぞれ新規設定時に100億円超の資金を集めたことを振り返り、「当ファンドも含め、いずれも米国株式以外への分散投資ニーズが資金流入を後押ししたと考えられる」という見方だ。

 

◆過去2年で最少の新規設定額

2025年4月の新規設定額の総額は過去2年間で最少の設定額になった。単位型・限定追加型のシリーズとして39本目の設定となった「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2025-04」は設定額が約30億円となり、直近2年間で設定された同シリーズ9本の中で最低の設定額になった。4月の急激な株価の変動によって株式市場の価格変動リスクが強く意識されたことなどによって新規設定ファンドへの投資にも慎重な姿勢が強まったのだろう。

今回の株式市場の変調は、これまで市場をリードしてきた米国株式市場が震源地になっている。2020年3月の「コロナ・ショック」以来、米国のハイテク株を主軸として続いてきた株高の流れが変わってしまう可能性がある。新規設定ファンドに対する資金流入が細ったのも、これからの市場の方向性を見極めたいという姿勢のあらわれと考えられる。