65歳の誕生日の3カ月前に届く「年金請求書」で申請を

サラリーマンの老齢厚生年金や、専業主婦の妻の老齢基礎年金は、満65歳から受給できます。では65歳になったら自動的に年金が振り込まれるのかというと、そう簡単な話ではありません。2020年は新型コロナウイルス関連の給付金を申請した方も少なくないと思いますが、公的年金を含めた日本の給付金はほとんどが「申請主義」を採用していて、受給要件を満たしていても自分で申請しない限りは受け取れないのです。

公的年金の場合、受給開始前には請求の手続き(裁定請求)を行う必要があります。年金の支給開始年齢を迎える3カ月ほど前になると、日本年金機構から「年金請求書」が送付されます。これに必要事項を記入し、戸籍謄本(または戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか)や振込先の金融機関の通帳かキャッシュカードのコピーなど必要書類を添付したうえで、最寄りの年金事務所や年金相談センターに提出する形です。

振込先の金融機関には、預金金利の比較的高いインターネット専業銀行を指定することもできます(2020年1月現在ではソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行、ジャパンネット銀行が指定可)。一般の銀行や信用金庫などでも、年金受取口座には金利上乗せやギフト券プレゼントなどの特典を用意しているところが多く、「面倒だから給与振込口座をそのまま使おう」というのは少々もったいない気がします。