預金をすると手数料を取られる時代、投資でお金を殖やすことを考える

また、後者についても明確な差があります。親世代が50代だったバブル後期、定期預金の利率は6%を超えていました。ノーリスクの預金が、預けて10年後には1.5倍になって戻ってきたのです。期間の長い養老保険などで蓄財していたら、バブルが弾けた後の“失われた10年”においても高利回りで運用することができました。

しかし、現在は日本銀行のマイナス金利政策により、預金にほとんど利息が付かないどころか、逆に口座に手数料をかける動きが広がっています。今どき「6%の確定利付き商品」と聞いたら、むしろ怪しいと感じてしまうのではないでしょうか。

 親世代のような悠々自適の老後をエンジョイするためには、この2つのマイナスポイントを克服する必要があります。

そもそも、子どもが独立する50代は、人生で一番の“老後資金の貯めどき”です。教育費の負担がなくなったことで生まれた自由になるお金は、極力、老後のために蓄えておきたいところです。

さらに、ゼロ金利の預貯金一辺倒でなく、老後資金の一部を投資に回し、“お金に稼いでもらう”ことも検討しましょう。投資という言葉からは、デイトレーダーのように値上がり益を求めて積極的に短期売買を行う姿を想像しがちですが、ここでいう投資とは腰を据えた“長期投資”の意味です。

今年はコロナショックという大きなリセッション(景気後退)に見舞われましたが、そもそも経済は、拡大と後退を繰り返しながらも長い目で見れば成長していくものです。こうした経済成長の恩恵を受けるためには、成長する経済の主体、つまりは企業や国家に投資をする必要があります。具体的には、株式を購入したり、債券を購入したりする形です。

といっても、投資の未経験者がいきなり株式や債券を購入しようとすると、膨大な銘柄の中からどれを選んだらいいかという最初の一歩でつまずいてしまうかもしれません。そこで、初心者の方にお勧めしたいのが投資信託(投信)です。

投信は、投資家から集めたお金を1つのファンドにして運用する金融商品で、投資対象の選択や売買判断などはプロが行います(投資信託協会による詳細説明)。少額から購入でき、投信を利用することで個人ではアクセスしにくい新興国の株式やコモディティなどに間接投資することも可能になります。