「退職金を元手に投資家デビュー」で成功した人はほとんどいない

投資を行う場合、大切なのは50代のうちから始めておくことです。

「今は忙しいし、退職して時間に余裕ができてからでもいいんじゃないの? 退職金が入れば、まとまった投資資金も用意できるし……」と思われるかもしれませんが、残念ながら、退職金を元手にした投資デビューで成功したという話を聞いたことがありません。大金を持った素人は、“ネギを背負った鴨”にされてしまうリスクが高いのです。

そうでなくても、退職後投資デビューした途端に現在のようなボラタイル(相場の値動きが激しいこと)な市場環境が続いたら、虎の子の老後資金が減るのが不安でたまらず「投資なんてやめよう」となってしまうのではないでしょうか。

そこで、50代のあなたにお勧めしたいのが、積み立て方式で毎月少額ずつ投信を購入していく方法、つまりは“投資の筋トレ”です。積み立てならば短期の相場動向に大きく影響されませんし、定期的に給与やボーナスが入ってくる今なら、投信の評価額が多少下がっても「我慢の時期」と静観する心の余裕が持てそうです。

こうして現役時代から“投資の筋力”を鍛えることによって、退職後にはもう一段ハードルを上げ、より高い利益を視野に入れた投資に取り組む土台を培うことができるのです。