「内容証明郵便の送付」で変わった
裕規さんの話によると、内容証明郵便の送付後、潤貴さんの態度は目に見えて変わったという。
最初は「俺が増やした財産だ」と強く主張していた潤貴さんだが、最終的には寄与分の主張を取り下げた。その結果、法定相続分として潤貴さんと裕規さんが2分の1ずつ相続することで話がまとまったのだ。
兄弟間でわだかまりやしこりが残ることもなかった。いまでは兄弟間で笑い話になっているという。
結果的には丸く収まったのだが、潤貴さんと裕規さんの関係が一時危うくなったのも事実だ。
このことを踏まえ、私は読者諸兄に以下のことをお伝えしたい。
相続で大切なのは、「自分はこれだけ貢献している」という実感と、「法律上評価されること」を分けて考えることだ。
前者は感情の問題であり、後者は法的な問題になる。
この二つを混同すると、相続は一気にこじれる。
寄与分という制度は故人に尽くした人を相続において評価する制度であるが、貢献したことをもって独善的な主張の根拠にしてはならない。
相続においては、自分の貢献を謙虚に評価することのほうが重要だ。
もし、寄与分でもめそうな場合は、今一度冷静になって、本当に特別な貢献なのか振り返っていただきたい。
たったそれだけでも、潤貴さんと裕規さんのような相続争いを避ける上で役に立つだろう。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
