情報を集めることと、判断を人に預けることは違う

中学受験が終わり、息子が中学校生活に慣れた頃、真理子さんは改めて仕事を探しました。今度は「教育費の穴埋め」ではなく、長く続けられる仕事に就き、家計を立て直したいと考えています。

教育ジャーナリストとして取材をしていると、「親が情報を知らないことで子どもを不利にしたくない」と話す保護者に多く出会います。その気持ちはよくわかります。中学受験には、塾、学校、入試日程、併願戦略など、必要に見える情報があふれているからです。

しかし、情報を集めることと、判断を人に預けることは違います。評判のよい先生も、合格実績のある家庭教師も、ママ友の成功談も、その子に必要かどうかまでは決めてくれません。

大切なのは、成績が上がらないたびにサービスを足すことではなく、まず原因を探ること。そして新しい課金を始める前に、「何をやめるのか」「いつまでに効果が出なければ見直すのか」「年間でいくらまでなら払えるのか」を決めておくことです。

中学受験では、親の不安に値札がつきます。払える家庭ほど選択肢は増えますが、選択肢が多いことと、合格に近づくことは同じではありません。

教育費は、子どもの未来への投資です。だからこそ、恐怖に押されて払い続けるのではなく、家族の暮らしと子どもの時間を守るための“上限”が必要なのだと思います。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。