DCが変わる…アドバイス解禁、ロボアドも?

こうした課題を解決するため、改革に向けた検討を進めるという政府方針が明らかになった。一層の加入者ファーストを実現するため、以下の変革が見込まれる。

①運用サポートの充実

・個別商品のアドバイス解禁…現状では運管による特定商品の推奨は禁じられており、加入者は自力で商品を選ぶしかない。今後は具体的な助言や推奨を行えるよう、検討が進められる。

・ロボアドバイザーの活用…現在のDC商品は投資信託、預金、保険に限られるが、加入者のリスク許容度に応じた資産配分や自動リバランスを提供する「投資一任サービス」が活用できるよう制度上の位置づけを明確化する見込み。

・「ほったらかし」対策の強化…加入後に商品を選ばず放置されるケースを防ぐため、あらかじめ決められた「指定運用方法(デフォルト商品)」の設定義務化や、長期形成に適した商品を設定していない運管に対する説明責任の導入が検討される。

②商品ラインアップの適正化

・商品除外手続きの緩和…運用商品をラインアップから外す際、現在は「選択者3分の2以上の同意」が必要で実務上の大きなハードルとなっているが、この要件を緩和して入れ替えの円滑化をめざす。

・上限規定の見直し…商品が多すぎると選びにくいため、現状では35本以下となっている商品数の上限ルールについて見直しが行われる。

③制度構造と枠組みの見直し

・シンプル化とコスト低減…NISAと比べて関係機関が多く、手続きが複雑で非効率な構造を改め、国民年金基金連合会の役割を含めた制度の効率化や手数料水準、コスト構造の見直しに向けた改革が進められる。

・拠出限度額の柔軟化…年代によっては十分な資産形成ができない実態を考慮し、アメリカの制度のように50歳以上を対象とした追加拠出枠の導入などが検討される。

あなたはiDeCoにどう向き合う?

今回示された内容はあくまで方針であり、その多くは5年後の次期年金制度改革までに結論が出される予定だ。すぐにすべてのルールが変わるわけではないが、制度がより使いやすく改善される方向性は明確になった。私たちは制度が整うのを待つべきなのだろうか、それとも早期の加入を検討すべきなのだろうか。

iDeCoには原則60歳まで資金を引き出せない点があるものの、現行ルールのままでも掛金全額が所得控除になる節税効果を享受できるメリットがある。一方で、「自分一人で商品を選ぶのが不安」という人は、今後予定されているアドバイス解禁やロボアドバイザー導入といったサポート体制の拡充を待つというのも選択肢の一つだ。制度変更の動きを注視しつつ、節税メリットや手元資金などを照らし合わせながら総合的に判断する必要がある。