分かった上でなら、日経平均は結構アリかも

さて、では最後にまた「日経平均7万円」の話に戻ります。

まず、「7万円だなんておかしい!バブルだ!」と、単なる直感だけで語るのは正しくなさそうです。

6万円は16.6%の上昇で7万円になりましたが、7万円は14.2%上がるだけで8万円になってしまいます。そして仮に(7万円から)42.8%上がれば10万円です。

今「日経平均10万円」なんて言うと変な目で見られそうですが、私は決して相場の予想をしたいわけではなく、まずは単純な算数によって考えてみることが大切だと思っているのです。

そして、8万円のための14.2%や10万円のための42.8%の上昇には、先ほどの表の上の方の銘柄に上がってもらうのが良さそうです。

もうお気づきかもしれませんが、それら株価が高い銘柄群の多くは今、「AI・半導体関連」の企業です。数年前から世界的にAIの進化や、それを支える半導体への需要が非常に旺盛になっており、株式市場もそれを反映して関連銘柄が大きく上昇しています。

オープンAIやアンソロピックがつくる生成AIモデルや、エヌビディアの設計する最先端半導体の開発分野などは米国企業が主導していますが、実は日本にはそれら企業が必要とする半導体の部材や製造工程において、世界的に高い競争力を持つ企業が数多くあります。

あくまで先ほどの表の10位までだけを見て、該当しそうな企業に説明を加えるとこんな感じです。

 

日経平均を7万円まで引っ張ってきたひとつの原動力が、こうした企業に対する、世界的なAI・半導体需要だったということです。

日本株式全体の指数と思われがちな日経平均ですが、実態としては、米国を中心地に世界で進化する「AI・半導体のイノベーション動向」を反映する側面も強く持っているといえます。

こうした側面をしっかり理解した上で、

● 直接的な為替リスクがない日本株式で、
● AI・半導体のテーマ投資までは絞り込まず適度に、関連する日本企業の株価上昇を享受する

――ためのツールとして日経平均のインデックスファンドなどを活用するというのは、ひとつの考え方です。

しかしこれは良いことばかりではなく、AI・半導体分野に「逆風」が吹く時には、日経平均にもマイナスの側面が強く出るということでもあります。

(別の指数算出ロジックの結果として)より「AI・半導体関連色」が濃いS&P500やナスダックほどではないにせよ、日経平均はAI・半導体関銘柄に、上にも下にも影響を受けやすい指数だということです。

もしそれを懸念するなら、同じ日本株式のインデックスファンドであっても、日経平均ではなくTOPIX(東証株価指数)の方が望ましいでしょう。

実際、両者は今、以下のような乖離(かいり)を見せています。AI・半導体関連株が中心となって日経平均を強く引っ張ってきた結果です。

 

AI・半導体関連に、(マイナス期の試練も“覚悟”の上で!)長期的な期待をするなら日経平均、もっとフラットに、幅広く網を張っておきたいならTOPIX――といったところでしょうか。もちろん、ユニークなコンセプトで日本企業の成長をとらえようとするアクティブファンドにも、最近は注目に値するものが多くあります。

「日経平均が7万円なんておかしい!」といった直感からくる思考停止、あるいは買ってみたものの少しの利益で売却する短期売買指向から一歩踏み出し、私たち日本人の有力な「長期・分散ツール」としての日本株式について、今だからこそ改めて、しっかりと考えてみたいところです。

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